1994 Fiscal Year Annual Research Report
精神疾患とドーパミンD_4受容体遺伝子多型の関連の検討
Project/Area Number |
05670797
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 正人 東京大学, 医学部(病), 助手 (20221533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 真一 福島県立医科大学, 医学部(病), 教授 (30110703)
平松 謙一 東京大学, 医学部(病), 助手 (50218814)
本多 真 東京大学, 医学部(病), 医員
児玉 龍彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (90170266)
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Keywords | ドーパミン受容体 / 精神疾患 / PCR / 遺伝子多型 / D_4受容体 |
Research Abstract |
昨年度は、【.encircled1.】ヒトから得た血液よりのDNA抽出、【.encircled2.】D_4受容体遺伝子多型部位の近辺の構造にもとづいたプライマーの決定・合成、【.encircled3.】抽出したDNAからのPCRを用いたD_4受容体遺伝子の多型部分の増幅、を3組のプライマーを用いて行なったが、いずれの場合でもPCRによる増幅遺伝子にはD_4受容体以外の遺伝子が含まれていて、D_4受容体遺伝子のみの特異的増幅には成功しなかった。 PCRによりD_4受容体遺伝子を増幅するための条件設定が困難であるという事態には、多くの研究室が直面しているようであるので、本年度はPCRの条件を改善・工夫してD_4受容体遺伝子を簡便に増幅する方法の確立を目指した。具体的には、アニール温度をかなり高く設定するなど条件をさらに厳しくする、プライマーを2組用いて二重のPCRにより増幅を図る、遺伝子産物の増幅が微量にしか行なえなくとも検出できる方法を利用する、などの工夫を重ねた。 その結果、電気泳動で単一のバンドとして認められる増幅遺伝子が得られた。制限酵素2種類で切断した断片の電気泳動パターンとD_4受容体遺伝子の塩基配列を比較すると、この増幅された遺伝子がD_4受容体遺伝子であることはほぼ確実と考えられる。したがって、今回用いた方法・条件によって、ヒト白血球から抽出したDNAにおけるD_4受容体遺伝子の簡便で特異的な増幅の方法が確立されたことになる。 当初は、この方法を実際の精神疾患患者にも適用することまでを本年度中に行なう予定であったが、D_4受容体遺伝子のPCRによる増幅が困難であったために、鋭意進行しつつあるのが現状である。
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