1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670799
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松島 英介 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50242186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 克也 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20251514)
大久保 善朗 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (20213663)
島薗 安雄 (財)神経研究所, 所長 (10013806)
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Keywords | 精神分裂病 / 異種性 / 亜型 / 探索眼球運動 / 閉瞼時眼球運動 / 単純反応時間 / CPT / 治療反応性 |
Research Abstract |
近年、精神分裂病について、単一の疾患に起因するものではなく、従来の病型分類では説明できないような症候群として捉えようとする試みがなされ、こうした異種性の問題が存在することが指摘されている。このような分裂病の病態を解明するために、今回われわれは、分裂病に特徴的な各指標を組み合わせることによって、精神分裂病を新たに分類することを検討してみた。対象は分裂病患者30名、および年齢をマッチさせた正常対照者30名で、次のような検査を実施した。1)探索眼球運動として、運動数と移動距離、および『反応的探索スコア』。2)閉瞼時眼球運動として、安静時および音刺激時の速い眼球運動(R,rタイプ)と遅い眼球運動(S,sタイプ)。3)単純反応時間として、反応時間と交差現象。4)CPT(Continuous Performance Test)として、誤答数(反応しなければならない標的刺激に反応しないerror of omission(EOO)と、反応してはならない非標的刺激に反応するerror of comission(EOC))。さらに分裂病の臨床症状については、PANSS(Positive and Negative Syndromes Scale)を用いて評価した。以上の結果について、まず両群間の比較を行なったところ、いずれもこれまでの分裂病についての結果と同じ傾向を示した。また、今回の各指標は分裂病の症状のうちでも陰性症状と相関するものが多かった。つぎに、分裂病群の中でそれぞれの指標間の関係を求めたところ、反応的探索スコアとR,rタイプの眼球運動およびEOCとの間に有意な相関が認められた。したがって、今回用いた指標はいずれも分裂病の同じ側面を反映していることが示唆された。今後は、事象関連電位(P300,N400,NA)など分裂病に特徴的な他の指標も加えて、分裂病を亜型分類するとともに、一定期間後にそれぞれの亜型の治療反応性についても検討してみたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 小島卓也、松島英介: "精神分裂病と眼球運動" 精神医学. (予定).
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[Publications] Kojima T and Matsushima E: "Exploratory eye movements of schizophrenic patients" The Japanese Journal of Psychiatry and Neurology. 47. 686 (1993)
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[Publications] Obayashi S,Matsushima E et al.: "Changes in exploratory eye movements over time in schizophrenia" The Japanese Journal of Psychiatry and Neurology. 47. 691-692 (1993)
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[Publications] Suwa H,Matsushima E et al.: "Continuous performance testing in schizophrenia" The Japanese Journal of Psychiatry and Neurology. 47. 688-689 (1993)