1994 Fiscal Year Annual Research Report
難治性うつ病と感情表出(EE)との関連についての研究
Project/Area Number |
05670806
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Research Institution | GIFU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
植木 啓文 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (60232732)
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Keywords | 難治性うつ病 / 感情表出 / 心理教育 |
Research Abstract |
28例の難治性うつ病患者において、FMSSを用いてEEを評価した。その結果、11名が高EE、17が低EEと判定された。その内、心理教育を受けた者は、高EE5名(H[+]群)、低EE7名(L[+]であった(同様に心理教育を受けなかった高EE群6名をH[-]群、低EE10名をL[-]群とする)。理教育終了直後に行ったFMSSでは、H[+]群中の2名が低EEに変化していた。一方、L[+]群7名そのまま低EEでとどまっていた。HamiltonおよびZungによるうつ病評価スケールでは、心理教育の前後において変動は少なかった。 心理教育を受けた群は9カ月後に再びFMSSを施行した。H[+]群の内、心理教育によって低EEに変した者の内1名だけは低EEにとどまっていた。一方、L[+]群の内1名は高EEに変化していた。心理教を受けなかった群においては、H[-]群の6名の内、経過観察中に脱落した2名を除いた4名の内1名は低Eへ変化していた。一方、L[-]群の10名の内、経過観察中に脱落した3名を除いた7名は全て低EEでどまった。 うつ病症状に関しては、FMSSによるEE最終評価時点において、Hamiltonスケールが10点以下に低下した者は、H[+]群2名、H[-]群1名、L[+]群2名、L[-]群3名であった。 以上の結果から、心理教育は短期的にみた場合、高EEを低EEへと変化させるために有用であることが示唆されたが、中期的には効果は認められなかった。また、うつ病症状に及ぼす心理教育の効果については、統計的確認できなかった。
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Research Products
(1 results)