1993 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病細胞におけるアミロイドβ蛋白前駆体のプロセッシングに関する研究
Project/Area Number |
05670808
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 雅俊 大阪大学, 医学部, 講師 (00179649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 健 大阪大学, 医学部, 教授 (70028455)
播口 之朗 大阪大学, 医学部, 助教授 (10028459)
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Keywords | アルツハイマー病 / 血小板 / APP / KPIドメイン / トロンビン / α顆粒 |
Research Abstract |
アルツハイマー病患者および健常者から血小板分画を調整し、トロンビン刺激によるアミロイドβ蛋白前駆体(APP)及びその部分分解産物の血小板からの放出について検討した。APPの同定と定量はウエスタンブッロト法により検討した。血小板のα顆粒放出の指標として血小板第4因子(PF4)を用いた。血小板をトロンビン刺激した後の上清中に約130KDaおよび100KDaのバンドを認め、それらは各々KPIドメインを持った全長型APPとKPIドメインを持った分泌型APPであった。また血小板のα顆粒中にKPIドメインを持った全長型APPが含まれており、分泌型APPはそれとは異なった何らかの機構により血小板から放出されている可能性が示唆された。これらの点でアルツハイマー病患者と健常者の間に特に差異は認められなかった。また全長型APPが血小板から顆粒放出により分泌された後そのままincubateしておくと再び血小板内に再取り込みされていると考えられるデータを得た。この際取り込みは分泌型APPでは認められなかった。これまでに線維芽細胞を用いたProtease Nexin(PN)に関する実験ではPNが線維芽細胞から放出された後proteaseとセルピンドメインで結合し、線維芽細胞中に再取り込みされ、proteaseと共に分解されることが報告されている。近年そのPNファミリーの1つであるPN2がAPPのKPIドメインを持ったものの分泌型であることがわかった。本実験の結果からKPIドメインにproteaseなどの物質がなにも結合していない全長型のAPPが放出された後、しばらくincubateするだけで再び血小板内に取り込まれる可能性が示唆された。このデータは全長型APPからβ蛋白の形成が全小板内に再取り込みされたAPPの分解により起こる可能性を示唆している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] M.Takeda: "Inoculation study of Alzheimer buffy coat to hamster brain" Advance in Bioscience. 87. 325-326 (1993)
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[Publications] M.Takeda: "Cytoskeletal pathology of Alzheimer's disease-Transmission study of Alzheimer's disease" Annals of Psychiatry. 3. 201-232 (1993)
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[Publications] 武田雅俊: "アルツハイマー病研究に関する最新の進歩-アミロイドβ蛋白前駆対の突然変異の意義とアミロイドβ蛋白沈着のメカニズムについての仮説-" 臨床精神医学. 21(12). 1889-1895 (1992)
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[Publications] 武田雅俊: "アルツハイマー病における細胞骨格とカルシウム" CLINICAL CALCIUM. 3(3). 57-65 (1993)
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[Publications] 武田雅俊: "アルツハイマー病-アミロイドβ蛋白沈着メカニズムとアミロイドβ蛋白前駆体の突然変異の意義" 現代医療. 25(1). 23-30 (1993)
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[Publications] 武田雅俊: "老人斑・アミロイドをめぐる研究" 治療. 75(7). 53-57 (1993)
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[Publications] 武田雅俊: "精神科症例集7・老年期精神医学" 中山書店, 274 (1993)
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[Publications] 工藤喬: "新生化学実験講座第10巻" 東京化学同人, 497 (1993)