1993 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂とドパミン受容体遺伝子の多型との関連の分子遺伝学的研究
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05670812
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤原 豊 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (50173498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 洋志彦 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 精神分裂病 / 抗精神病薬 / ドパミンD_2受容体 / ドパミンD_3受容体 / ドパミンD_4受容体 / 受容体遺伝子 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
健常者18名および精神分裂病者32名から、研究の主旨を充分に説明し、同意を得たうえで採血を行った。精神分裂病者に関しては、詳細な臨床上の特徴(性、発症年齢、家族歴、DSM-III-RまたはICD-10による診断名、臨床経過型、〓病期間、再発回数、初発時の状態像、採血時brief psychiatric rating scaleによる症状評価、)や薬物の治療反応性(採血前の治療歴、プロラクチン濃度、副作用の種類と程度)に関するデータを集めた。採血した白血球からDNAエキストラクターWBキットによってゲノムDNAを抽出し、これを鋳型にして、ドパミン受容体亜型(D_2、D_3、D_4)遺伝子の多型部分を合成プライマーを用いてPCR法で増幅し、ゲルに流して多型の存在を確認した。これによって、日本人にも従来報告されている多型が存在することを確認できた。現在、D_4受容体遺伝子の第3細胞内ループ部分に相当する遺伝子配列にみられる48塩基対の繰り返し回数と相関する臨床上の指標を検討しているが、まだ有意な結果は得られていない。D_2受容体遺伝子に関しては、当初非蛋白コード部分の2塩基対の繰り返し回数を検討していたが、最近、D_2遺伝子の蛋白コード部分に点変異があり、抗精神病薬に対する反応性が比較的良い患者にこの変異型のD_2受容体をを有するものが多いことが報告されたため、この点について今後検討する予定である。また、D_3受容体に関しては、最近いくつかの異型体が脳やリンパ球に存在することが報告されたため、今後この点を考慮する必要がある。
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