1994 Fiscal Year Annual Research Report
老年期痴呆患者の定量解析脳波と局所脳血流量(SPECT)との相関に関する研究
Project/Area Number |
05670823
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Research Institution | Dokkyo University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮坂 松衛 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40049135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 輝彦 獨協医科大学, 医学部, 助手 (70235654)
中野 隆史 獨協医科大学, 医学部, 講師 (20095037)
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Keywords | 老年期痴呆 / アルツハイマー型痴呆 / 脳血管性痴呆 / 定量脳波 / 局所脳血流量 |
Research Abstract |
老年期痴呆を対象として、^<123>I-IMP SPECTによる局所脳血流判定について、静脈採決法を用いた定量化を試みることで、より正確な局所脳血流量を測定検討し、これらと定量脳波所見との関連について検討した。さらに痴呆の重症度、行動評価との関連についても検討した。これにより、アルツハイマー型痴呆(DAT)と脳血管性痴呆(VD)の病態をより詳細に解明することを目的とした。 当科の外来・入院の老年期痴呆患者において、(1)脳波を脳波記録紙と磁気テープに同時に記録し、脳波自動解析装置を用いて、8部位の脳波を同時に分析し、脳波の諸要素について定量的に検討した。(2)^<123>I-IMP SPECTについては、^<123>I-IMP静注後に検出器回転型γ-カメラにてSPECTを行った。同時に静脈血を採血し、血液中のRIカウント数をウェル型シンチレーションカウンターにより測定した。OM線に平行な水平断スライスを構成し、脳各部位に関心領域を設定し、得られたカウント数から局所脳血流量を血液中のRIカウント数に基づいて定量的に算出した。(3)痴呆評価尺度として長谷川式痴呆審査スケール、CDRを施行し、またADLの評価を行い、脳波、APECTの局在的所見と対応させた。 脳波では、DATにおいては側頭、中心部において徐波成分の増加を認め、VDでは前頭部において徐波成分の増加を認めた。痴呆の進行に伴い、徐波成分は増加する傾向を認めた。これに対して局所脳血流量では、DATにおいては側頭・頭頂および後頭部領域での低下を認め、VDでは前頭部および基底核部での低下を認めたものの、痴呆の程度と局所脳血流量の低下の程度との間には必ずしも相関は認められなかった。また脳波と局所脳血流量との間の相関も認められなかった。これには静脈採血法による定量の際の技術的問題から生じた誤差の影響もあるものと考えられ、今後の検討課題としたい。またさらに症例数を増やし当初の目的について検討を重ねたい。
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