1993 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺ホルモン受容体のエピトープマッピングとバセドウ病の病型分類
Project/Area Number |
05670851
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
原口 和貴 山梨医科大学, 医学部, 助手 (70165009)
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Keywords | TSH受容体 / G蛋白 / 膜貫通部位 / バセドウ病 / TSH |
Research Abstract |
われわれは、当科学研究費により購入した。膜上固定化ペプチドを用いてプレリミナリーな実験系において、TSH受容体(TSHR)の膜貫通部位に結合するバセドウ病患者IgGを得た。このことにより膜結合部位がTSHの情報伝達に関与すると考え、以下の実験を行った。 【方法】全長TSHR cDNAはM-13ファージに組み込み、一本鎖DNAを得た。これを鋳型とし合成オリゴヌクレオチドを用いて、第2膜貫通部位では、460Asp→Asn,第3膜貫通部位では、506Glu→Gln,518Glu→Gln,及び第6貫通部位で633Asp→Asnの各々の点変異を有するcDNAを得た。得られた変異受容体cDNAはpRc/CMVに組み込み、リポフェクチンを用いてCHO細胞にトランスフェクションし、G418(600mg/ml)存在下で限界希釈し、各々の変異受容体永久発現株を得た。 【結果】各々の変異受容体あたり各々約70個のクローンを得、AMP反応性、TSH最大結合能を指標として各々のクローンを選択した。460Asp→Asn及び506Glu→Glnは高親和性のTSH結合を得られなかったが、低親和性のTSHの結合を得た。これらはTSHRを有しないwild CHO細胞にみられる低親和性の非特異的結合よりも結合容量が大きく、親和性も高いことから非特異的結合とは区別された。460Asp→Asnは高濃度(10mU.ml)のTSHに対してcAMPが増加し、一方、506Glu→GlnはTSH反応性が欠如していた。518Glu→Gln及び633Asp→Asnは、高親和性及び低親和性のTSH結合能を有していた。TSH刺激によるcAMP産生刺激能に関しては518Glu→Glnは、反応性が低下していたが、633Asp→Asnは、TSH反応性も保たれていた。
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Research Products
(1 results)