1993 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺ホルモンの新しい代謝調節機構:筋酵素遺伝子のスプライシングとその異常
Project/Area Number |
05670858
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
嶺尾 郁夫 大阪大学, 医学部, 助手 (40243240)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 隆通 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
小田 泰雄 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
田村 信司 大阪大学, 医学部, 助手 (30243223)
|
Keywords | スプライシング / AMPデアミナーゼ / プリン分解 / 甲状腺ホルモン / 骨格筋 / 筋原性高尿酸血症 / 転写後調節 |
Research Abstract |
ホルモン作用による代謝調節機構に関して、従来もっぱら転写レベルにおける遺伝子発現調節の分析が進められてきたのに対し、本研究では転写以降の重要ステップであるスプライシングに対するホルモン作用を検討することを目的とした。 プリン分解のkey enzymeであるAMPデアミナーゼの筋型遺伝子(AMPD1)は、組織特異的な様式で、alternativeにスプライスされることを明らかにしている。そこで、甲状腺ホルモン欠乏ラットにおいて、同遺伝子の発現と翻訳産物の変動を分析し、 1)筋内のAMPD1mRNAsは、量的に変化しなかった。 2)AMPD1のalternative mRNAsの比率は、長趾伸筋(白筋)とヒラメ筋(赤筋)で著しく異なっていた。 3)甲状腺ホルモンの欠乏によって、AMPD1のalternative mRNAsの比率は長趾伸筋では変化しないが、ヒラメ筋で有意に変化した。 4)AMPデアミナーゼの酵素活性は、長趾伸筋では変化しないが、ヒラメ筋で有意に増加した。 の成績を得た。以上、甲状腺ホルモンが、筋ファイバータイプに依存してAMPD1のalternative splicingに影響し同酵素活性を変動させることを明らかにし、スプライシングレベルでの作用を介するホルモンの代謝調節機構を示した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] T.Nishimura et al.: "Influence of daily drinking habits on ethanol-induced hyperuricemia." Metabolism. (in press).
-
[Publications] N.Itoh et al.: "Mononuclear cell infiltration and its relation to the expression of MHc antigens and adhesion molecules in pacreas biopsy specimens from newly diognosed IDDM patients." J.Clin.Invest. 92. 2313-2322 (1993)
-
[Publications] Y.Oda et al.: "The inhibitory effect of nonadrenaline on thyrotrophin-stimulated 3,5,3'-tri-iodothyroxine and thyroxine release is mediated through a Ca^<2+>-dependent process in the thyroicl gland of the mouse." J.Endocrinol.138. 73-80 (1993)
-
[Publications] S.Tamura: "Effect of glucagon on urinary excretion of urea and plasma ammonia level in arginosuccinate synthetase deficiency." J.Gastroenterol. (in press).
-
[Publications] 嶺尾郁夫 他: "筋型AMPデアミナーゼ遺伝子(AMPD1)のスプライシング調節:甲状腺ホルモン欠乏ラットにおける分析" プリン・ピリミジン代謝. (印刷中).
-
[Publications] 嶺尾郁夫 他: "心筋におけるAMPデアミナーゼのアイリフォームに関する分析" プリン・ピリミジン代謝. (印刷中).