1993 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン依存型糖尿病における病因関連T細胞上のCD45分子の機能的解析
Project/Area Number |
05670862
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横野 浩一 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (50144580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 和彦 神戸大学, 医学部, 助手 (20231988)
志伊 光瑞 兵庫県立成人病臨床研究所, 代謝部, 部長
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Keywords | インスリン依存型糖尿病 / 自己免疫疾患 / CD45アイソフォーム / チロシンフォスファターゼ / NODマウス / Th_1とTh_2細胞 |
Research Abstract |
インスリン依存型糖尿病(IDDM)のモデル動物であるNODマウスの脾及び胸腺T細胞におけるCD45アイソフォームの発現を対照マウスと比較したが、有意な差異を認めなかった。しかし、NODマウスT細胞上のCD45分子のチロシンフォスファターゼ活性は対照マウスに比して有意に低下していた。このフォスファターゼ活性はT細胞上のCD3分子と会合しているP59^<fyn>やCD4/CD8分子と会合しているP56^<lck>などのチロシンキナーゼ活性を制御していることより、これらチロシンキナーゼのチロシンリン酸化能をNOD及び対照マウス間で比較したが有意な差を認めなかった。一方、本マウスT細胞における抗CD3抗体やCouA刺激によるサイトカイン分泌を測定してみると、IL-2、IFN-γ、IL-6などは対照マウスとほぼ同等であったが、著明なIL-4分泌の低下を認めた。さらにCD45アイソフォームのうちCD45RB陽性T細胞を抗体処理によりdeletionすると、IL-2やIFN-γの分泌が低下したことよりTh_1細胞はCD45RB陽性と考えられる。このTh_1細胞を除却することによりIL-4分泌が軽度回復したことから、Th_2細胞の機能低下はTh_1細胞に調節されている可能性が考えられた。以上より本マウスにおいては、Th_1とTh_2細胞間のバランスがTh_1優位に傾き、自己免疫性糖尿病の発症が惹起される可能性が示唆された。
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[Publications] 八木規夫: "NODマウス膵臓におけるICAMの発現" Diabetes Frontier. 4. 467-467 (1993)
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[Publications] 長谷川裕: "NODマウス糖尿病の発症予防に関する研究" Diabetes Frontier. 4. 468-469 (1993)
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[Publications] 横野浩一: "サイトカインを含めた免疫療法の試みと抗接着分子抗体の応用" 内科. 73. 311-316 (1994)
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[Publications] Yutaka Hasegawa: "Prevention of autoimmune insulin-dependent diabetes in NOD mice by anti-LFA-1 and anti-ICAM-1 monocloral antibodies" International Immunology. (in press).
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[Publications] Tashiya Taki: "Effect of T cell receptor V_β-specific monoclonal antibodies on cyclophosphamide-induced diabetes mellitus in non-obese diabetic mice" Diabetologia. 36. 391-396 (1993)