1994 Fiscal Year Annual Research Report
ジーンターゲティングによるNODマウス膵島浸潤リンパ球の機能解析
Project/Area Number |
05670869
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永淵 正法 九州大学, 医学部, 助手 (00150441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 大介 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (70204914)
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Keywords | 糖尿病 / 膵島炎 / NODマウス / lprマウス / 自己免疫 |
Research Abstract |
129/SVマウスのμ鎖遺伝子膜型エキソンをジーンターゲッティングにより破壊し、Bリンパ球を欠如させたマウス(μMT/μMT)をB6マウスにbackcross行い、B6μMT/+マウスを得た。このB6μMT/+マウスをB6lpr/lprマウス、NODマウスと交配し、μMT遺伝子をそれぞれの系統のマウスに導入した。B6μMT/μMT,lpr/lprマウスにおいては、Bリンパ球の欠損が認められ、かつB6lpr/lprマウスに特徴的なリンパ節腫脹の著明な減少が認められた。一方、lprマウスに蓄積する異常リンパ球CD4-CD8-B220+Thy-1+細胞はμMT/μMT,lpr/lprマウスにおいても出現しており、リンパ節腫脹の抑制は未熟な異常T細胞の欠損のためではなく、殖抑制に基づくことが示唆された。この結果は自己免疫反応にBリンパ球がその調節因子して関わっていることを示唆するものである。 以上の結果から、NODマウスにおいてもμMT遺伝子導入によるBリンパ球の欠損により、自己免疫反応が抑制され、結果として膵島炎を軽減させることにより、糖尿病発症が阻止されうる可能性が高いことが示唆された。既に、B6μMT/+マウスを7代NODマウスにbackcross完了しており、8代目で膵島炎、糖尿病発症におよぼすBリンパ球の果たす役割を検する予定である。なお、Backcross5代目のNODマウスにおいて、膵島炎を伴う糖尿病が発することを確認済みである。今後、NODμMT/μMTマウスにおいては、Bリンパ球が欠損するために、膵島炎を伴う糖尿病が発症しないことが予想される。従って、NODμMT/μMTマウスに対する、抗体、もしくはBリンパ球の移入実験を行い、膵島炎の発症機構におけるBリンパ球の果たす役割の位置づけを決定する予定である。
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