1993 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化蛋白質のクローニングによる甲状腺ホルモン分泌の細胞内情報伝達機構の解析
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05670891
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
藤平 隆司 産業医科大学, 医学部, 助手 (40159124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 澄哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (90010347)
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Keywords | 蛋白リン酸化 / 細胞内情報伝達 / 甲状腺ホルモン / 二次元電気泳動 |
Research Abstract |
甲状腺培養細胞株であるFRTL-5cellやNIM 1 cellを^<32>PでラベルしTSH、Forskolin、TPAで刺激し二次元電気泳動で解析した。その結果約24kdのAcidic proteinがTSHとForskolinの両者によって有意にリン酸化され、このproteinがA-Kinase系を介する情報伝達系のカスケードに位置し、TSH刺激による甲状腺ホルモン分泌機構に関与していることが推定された。また、TSH刺激にて分子量約19kdで中性側の2つのspotは有意に脱リン酸化されることを同時に発見した。このことはprotein kinaseのみでなくprotein phosphataseもTSHの情報伝達系に深く関与していることを推定させた。 現在これらの蛋白質のイオン交換クロマト等を用いた純化のstepにはいっている。純化精製の材料としてはリン酸化反応に用いたcell lineが望ましが、量的な問題を克服するために甲状腺手術材料からの精製の可能性についても検討をおこなっている。 今後、甲状腺ホルモン分泌における蛋白燐酸化反応で見いだしたこれら蛋白質の解析を進めることによって、TSH刺激によるA-Kinase系を介したホルモン分泌の機序を明らかにしてゆきたいと考える。
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