1994 Fiscal Year Annual Research Report
巨核球分化と細胞周期の制御:endomitosisとサイクリン
Project/Area Number |
05670895
|
Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 武幸 千葉大学, 医学部, 講師 (30187207)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 信之 千葉大学, 医学部, 医員
角田 治美 千葉大学, 医学部, 医員
横江 秀隆 千葉大学, 医学部, 助手 (70261930)
布施 晃 国立予防衛生研究所, 室長
|
Keywords | 巨核球 / エンドマイトーシス / 細胞周期 / サイクリン / K252a / プロイディー / 細胞株 |
Research Abstract |
巨核芽球には、細胞分裂なしでDNA合成のみが行われ、8-125NのDANを有する巨核球となり(endomitosis)、それぞれが巨核球へと成熟し血小板が生成されるという他の細胞には認められない特色がある。しかしこのendomitosisの生理的意味およびこの過程の詳細な検討はされていない。我々は巨核球系細胞株CMKおよびHEL細胞を用い検討した。 HEL細胞は蛋白質リン酸化酵素K252aまたはフォルボールエステルTPA処理により巨核球系に分化する。HEL細胞細胞をK252aで4日処理すると細胞および核サイズの増大と多核化が認められた。ハイドロオキシウリア処理にてG1/S期に同調させた後にK252a処理すると、第1および第2のDNA合成が阻害されずに第1S期後の細胞分裂が完全に阻害された。一方、TPA処理の場合は第1DNA合成の遅延と細胞分裂および第2S期の完全阻害が認められた。第1S期においてK252aはcyclin B,cdc2およびcdc25B発現を阻害しなかったが、TPAはこれらの発現を遅らせた。この結果よりK252aは主にmitosisの阻害によりendomitosisを導くが、TPAはこれらとは異なった機序が推察された。 CMK細胞より2Nおよび4Nのploidyを有する種々の亜株を数種づつクローニングした。細胞質の成熟についても、両者ともに細胞表面糖蛋白質IIb/IIIaの発現発現度上種々の分化段階の亜株が得られた。巨核球のendomitosisの機序と意味についてこれらの細胞を用い今後さらに検討を進めたい。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Sato T.: "Expression of multidrug resistant(mdr-1) gene in a megakaryoblastic cell line,CMK,and its enhancement with the megakaryocytic differentiation." Leukemia and Lymohoma. (in press).
-
[Publications] Hamamoto K.: "Expression of platelet alpha-granule proteina in a human megakaryocytic leukemia cell line (CMK 11-5)." Int.J.Hematol.58. 105-112 (1993)
-
[Publications] Nagano T.: "Ultrastructural analysis of a human megakaryocytic leukemia cell line (CMK 11-5)in response to platetet agonists" Int.J.Hematol.57. 73-80 (1993)
-
[Publications] Akiyama N.: "Increment of the cyclin D1 mRNA level in TPA-treated three human myeloid leukemia cell lines:HEL,CMK and HL-60 cells." BBRC. 195. 1041-1049 (1993)