1995 Fiscal Year Annual Research Report
レトロウィルス遺伝子移入による白血病細胞増殖機構の解明
Project/Area Number |
05670912
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大塚 輝久 九州大学, 医学部, 講師 (20185317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 浩己 九州大学, 医学部, 医員
大野 裕樹 九州大学, 医学部, 医員
重松 宏和 九州大学, 医学部, 医員
有馬 文統 九州大学, 医学部, 医員
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Keywords | レトロウィルス / 白血病 / 自律性増殖 |
Research Abstract |
本年度は昨年度までに構築した造血因子産生レトロウィルスベクターを用いて、de novo骨髄性白血病細胞・骨髄腫細胞に遺伝子導入を行い、これら細胞の自律性増殖能を検討した。具体的には出来るだけ他の細胞の影響を取り除くために、骨髄性白血病細胞はCD34陽性細胞をマグネチックビーズにて分離し、骨髄腫細胞はFACSにてCD38陽性細胞を分離した。これらを標的細胞としてCD34陽性骨髄性白血病細胞にはG-CSF,GM-CSF,IL-3産生レトロウィルスベクターを感染させ、CD38陽性骨髄腫細胞にはIL-6産生レトロウィルスベクターを感染させた。骨髄性白血病細胞はG-CSF,GM-CSF,IL-3産生レトロウィルスベクターを感染させたところ、各々の造血因子は感染させた細胞にRT-PCR法を用いて確認できたが、これら感染細胞は最大2週間しか生存しえず、長期の増殖および自律性増殖は認められなかった。また、骨髄腫細部にIL-3産生レトロウィルスを感染させたところ、IL-6遺伝子およびコントロールとしてのneo^R遺伝子の検出も出来なかった。これら結果よりCD34陽性骨髄性白血病細胞はS期細胞周期でレトロウィルス遺伝子導入が可能であったが、各造血因子の挿入にては長期の自立性増殖能は獲得出来なかった。CD38陽性骨髄腫細胞はG_o期細胞周期でレトロウィルス遺伝子導入が不可能であった。CD38陽性骨髄腫細胞をIL-6+IL-3+IL-1でpre-incubation後にIL-6生産レトロウィルスベクターを感染させても、遺伝子導入は不可能であった。
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