1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトGM-CSF,IL-3,IL-5レセプターで共有されるbeta鎖の解析
Project/Area Number |
05670913
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林田 一洋 九州大学, 医学部, 助手 (60180981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 精一 九州大学, 医学部, 助手 (20136435)
仁保 喜之 九州大学, 医学部, 教授 (60091287)
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Keywords | GM-CSF受容体 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
ヒトGM-CSFレセプターalpha鎖またはbeta鎖をコードする塩基配列から想定されるアミノ酸配列を参考に合成ペプタイドを作成してマウスに免疫した.免疫後の脾臓B細胞とミエローマ細胞を融合させクローンをスクリーニングした結果,beta鎖からは良い抗体が得られなかったが,alpha鎖の151〜165番目のアミノ酸を認識する5クローンが得られ,その内1クローンがサブクラスはmu鎖であったが,alpha鎖に対して親和性の高い抗体であった.本抗体はGM-CSFレセプターalpha鎖を発現する細胞と結合し,FACSで調べた結果では,GM-CSFレセプターalpha鎖を多量に発現させたCOS7細胞だけでなく,TF-1,U937,好中球の様にalpha鎖を多く発現している細胞でも検出された.本抗体作用前に4℃で細胞とGM-CSFをpreincubationすると本抗体の結合は阻止され,本抗体はGM-CSFレセプターalpha鎖のGM-CSF結合ドメインの近傍に結合していることが考えられた.本抗体と結合する蛋白はWestern Blottingで調べた結果分子量8.5万の蛋白であった.以上から本抗体はGM-CSFalpha鎖を認識するものと判明した.また,KATO3,HL60,UT7でもWestern Blotting,FACS共に認識が可能で実用的な抗体であった. 得られた抗体を用いて,GM-CSF刺激後の細胞から得た抗燐酸化チロシン抗体での免疫沈降物を調べた結果では本抗体では認識されなかった.従ってGM-CSF刺激後のalpha鎖の燐酸化は現在の段階では認められていない.現在GM-CSF刺激後の細胞にクロスリンカーを作用させた後に本抗体での免疫沈降物を調べ,alpha鎖とbeta鎖の結合や,JAK-2のような分子がalpha鎖にも会合するか否か検討中である.
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