1993 Fiscal Year Annual Research Report
エリスロポエチン刺激により特異的に誘導されるチロシンリン酸化蛋白p85の解析
Project/Area Number |
05670926
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小松 則夫 自治医科大学, 医学部, 講師 (50186798)
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Keywords | エリスロポエチン / エリスロポエチン受容体 / チロシンリン酸化 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
我々はエリスロポエチン(Epo)依存性ヒト巨核芽球性細胞株UT-7の樹立に成功し(Cancer Research 51:341,1991)、ヒトEpo受容体cDNAのクローニング及びその機能解析について研究を進めてきた(science 257:1138,1992)。さらにEpo刺激によってp85蛋白のチロシンリン酸化が強く誘導されることを見出した(Blood 80:53,1992)。最近UT-7から分離した赤芽球系の性質を持つ亜株UT-7/Epo(Blood 82:456,1993)でもp85蛋白のチロシンリン酸化が強く誘導されることからp85蛋白の機能的意義を明らかにすることを本研究の目的とした。ウエスタンブロッティング法によってp85蛋白はEpo受容体でもraf-1セリン/スレオニンキナーゼではないことを確認している。またEpoによってPl3キナーゼは活性化されないことから、p85がPl3キナーゼである可能性は少ないと考える。抗リン酸化チロシン抗体で免疫沈降後、抗Pl3イナーゼ抗体を用いてウエスタンブロッティング法を行ったが。明らかなPl3キナーゼ分子は検出できなかった。また抗体Epo受容体抗体でも検出されなったことから、Epo受容体ではないと思われる。今後はUT-7細胞をEpo添加後可溶化し、抗リン酸化チロシン抗体を用いて、免疫沈降後電気泳動を行い、目的とするp85を切出しアミノ酸分析を行う。決定された部分的アミノ酸一次構造をもとに、オリゴヌクレオチドを合成し、^<32>Pで標識、プローブとし、UT-7から作製したcDNA libraryから陽性クローンを吊り上げる。その塩基配列を決定し、それをもとに全アミノ酸一次構造を決定し、p85蛋白の構造上の機能を明らかにする。p85蛋白遺伝子を組み込んだ大腸菌発現プラスミドを作製し、大腸菌で蛋白を発現させる。この純品をウサギに免疫し、ポリクローナル抗体を作製し、ウエスタン法ならびに免疫沈降法を用いて、p85蛋白とEpo受容体、さらには他のシグナル伝達分子との相互関係についても解析する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Norio Komatsu: "Induced megakaryocytic maturation of the human leukemia cell line UT-7 results in down-modulation of erythropoietin receptor gene expression" Cancer Research. 53. 156-1161 (1993)
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[Publications] Masayuki Moroi: "Phorbol estre treatment of two megakaryoblastic cell lines,CHK and UT-7,induces specific protein composition changes with non-coincident time-courses" Biochimica et Biophysica Acta. 1177. 139-146 (1993)
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[Publications] Satoshi Shimomura: "Early and late gene expression in UT-7 cells infected with B19 parvovirus" Virology. 194. 149-156 (1993)
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[Publications] Norio Komatsu: "Establishment and characterization of an erythropoietin-dependent subline,UT-7/Epo,derived from human leukemia cell line,UT-7" Blood. 82. 456-464 (1993)