1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670934
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Research Institution | Tokyo Women's Medical College |
Principal Investigator |
寺村 正尚 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40188686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 祥子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80256528)
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Keywords | 巨核球産生 / 多倍体化 / Evi-1 / myb / K252a |
Research Abstract |
巨核球の成熟機構について分子生物学的に解析することを目的とした。 1.巨核球産生に関与するプロトオンコジン、転写因子の検討:巨核球系細胞株CMK、Meg-JにはEvi-1の発現を認めたが、IL-3、IL-6、IL-11を添加しても、その発現は不変であった。またCMK、Meg-JにTPAを添加して巨核球系への分化を促進させても、Evi-1の発現は不変であった。さらにTPAにより巨核球系に分化するHEL、K562においても、TPA添加後のEvi-1の発現は認めなかった。以上より、Evi-1の巨核球産生における関与の可能性は低いと考えられた。mybはCMKで発現していたが、mybのAntisense oligonucleotideにより増殖が抑制されず、その増殖に対する関与は認められなかった。 2.巨核球系細胞の多倍体化の実験モデルの確立:K-252a添加によりMeg-J細胞は多倍体化し、かつ血小板糖蛋白の発現の増強を認めた。巨核球の多倍体化のモデルになると考えられ、現在この系を用いて多倍体化の機序を検討中である。 3.巨核球系細胞のTPAによる分化、成熟の機序についての検討:CMKのTPA添加によるCD41発現の増強は、Stauro sporin、あるいはチロシンキナーゼ阻害剤であるHerbimycin Aを同時に添加すると減弱したが、プロテインキナーゼC阻害剤であるCalphostin Cを添加しても阻害されなかった。以上の結果より、TPAによるCD41発現の増強は、少なくともチロシンキナーゼを介すると考えられた。TPAの細胞周期、ploidyに対する作用は、Calphostin、Herbimycin Aでは解除されず、どのキナーゼが関与しているか明らかではなかった。今後、他のキナーゼ阻害剤を用いてさらに検討する予定である。
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