1993 Fiscal Year Annual Research Report
IL-2受容体解析に基づいた新しい免疫抑制療法の開発
Project/Area Number |
05670984
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
里見 進 東北大学, 医学部, 講師 (00154120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 秀之 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90188839)
加藤 博孝 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00240656)
片山 正文 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00177411)
菅村 和夫 東北大学, 医学部, 教授 (20117360)
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Keywords | IL-2受容体 / 抗γ鎖抗体 / IL-2の吸収 / 細胞内刺激伝達抑制 / 遊離IL-2受容体 / 皮膚移植延長効果 |
Research Abstract |
1.抗γ鎖抗体の作成 新しく同定したIL-2受容体のγ鎖産物でマウスを免疫し、単抗体産生ハイブリドーマを作り、抗γ鎖抗体を作成した。作成された抗体はIL-2受容体より分離した65kD分子のγ鎖と結合した。 2.抗α鎖、β鎖、γ鎖抗体の単独または共同使用による細胞内刺激伝達抑制の研究 α鎖のみでは細胞内伝達は起こらないことが分かっていたが、マウスの繊維芽細胞を用いたIL-2再構築系でシグナル伝達を検討した結果、α.β鎖のみならず、γ鎖を導入した細胞においてのみIL-2刺激によってチロシン残基のリン酸化が促進された。IL-2Rからの細胞内シグナル伝達には、β鎖とγ鎖が共に必要だということが分かった。また、抗γ鎖抗体を作用させることで、細胞内伝達が阻害されることが分かった。 本実験の趣旨とは若干離れるがγ鎖はIL-4受容体のサブユニットでもあり、広く細胞内の伝達に関与しているものと考えられた。 3.遊離IL-2受容体の作成とIL-2の吸収に関する研究 α.β.γ鎖の細胞外遺伝子のウイルスベクターへの組込みを行なっているが、有効なサブユニット分子の発現を得ていない。今後研究を継続する予定である。 4.マウスの系における移植実験 皮膚移植において抗α鎖抗体は数日間の延長効果を認めた。抗γ鎖抗体との併用効果は現在実験中である。β鎖に対する抗体は産生細胞に変性が生じたために再度細胞融合を行なっている。
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