1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670987
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
面川 進 秋田大学, 医学部, 講師 (30221170)
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Keywords | X線照射 / ガイドライン / 赤血球MAP / 血漿K濃度 / 血漿ヘモグロビン濃度 |
Research Abstract |
[目的]X線照射済み血液の使用ガイドラインの作成を目的とし、照射後長期間保存による安全性、有効性を明らかにする。平成6年度の目的:長期保存(42日間)される赤血球MAPでの検討を行う。照射線量及び、採血後照射時期の違いによる許容保存日数を明らかにする。 [方法]材料:全血採血後、遠心分離にて生成した赤血球濃厚液、赤血球MAP(RC-MAP)を用いた。実験群及びX線照射装置:日立MBR-1520A-2を用い採血1、7、14日間後のRC-MAPに15及び30GyのX線照射を行った。実験群はこれら照射6群に非照射の対照群を加えた計7群で、その後42日間保存し経時的に検体を採取した。検索項目:電解質(Na,K,Cl)、上清ヘモグロビン(Hb)濃度について対照群と照射の各群とでそれぞれ比較検討した。 [成績]血漿K濃度は対照群で採血後42日には61.9mEq/lと上昇していた。採血1日後15Gy群では照射翌日よりK値は増加し採血14日後に60.3で、採血1日後30Gy群では採血7日後で57.9と著増した。採血7日後15Gy群では照射時K値20.3が照射14日後(採血後21日)に63.7へ、採血7日後30Gy群では照射7日後(採血後14日)に61.5となった。採血14日後15Gy群では照射7日後(採血後21日)で、採血14日後30Gy群では照射3日後(採血後17日)にすでにK値はそれぞれ61.4、60.6mEq/lであった。血漿Na濃度は照射群でその低下が対照群に比し大きかったが照射各群間の差は明らかではなかった。上清Hbは血漿Kと類似の変化を示し、採血後照射までの期間が長いほど、また線量が大きいほど照射後の上清Hbの増加は大きかった。 [まとめ]RC-MAPの採血からX線照射までの日数が長いほど、線量が大きいほど照射後の保存可能日数は短い。照射前保存日数、線量に応じた照射後保存可能日数を設定すべきと思われた。
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