1994 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植におけるキメラ成立機序とドナー免疫担当細胞遊走現象の意義
Project/Area Number |
05671020
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
金廣 裕道 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30204580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 祥介 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (00142381)
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Keywords | 肝移植 / 骨髄細胞 / キメラ |
Research Abstract |
本年度は雑種成犬及びビ-グル犬を用いて同種肝移植を施行した。また、ドナー犬より末梢血リンパ球及びドナー骨髄細胞を分離採取した。 1)ドナー末梢血リンパ球は2-7×10^8個採取可能であり、ドナー骨髄細胞は肋骨より、2-6×10^8個採取可能であった。末梢血リンパ球は昨年同様凍結保存を行った。 2)同種肝移植後のレシピエント犬にドナー骨髄細胞を移植当日に2×10^8個を経静脈的に投与した。また、免疫抑制剤としてFK506を0.05mg/kgを2週間連日静脈内投与を行った。無処置のコントロール群の生存日数は7-10日間、およびFK506単独投与群の生存日数は14日間に対して、実験群では約30日間生存したが、免疫寛容の誘導は現在まで得られていない。 3)DLAの検索は条件を試行錯誤を行っているところであり、その際に必要であるドナー・レシピエントの末梢血リンパ球のMLR反応はその反応性が認められているので、更にDLA検索を続けている。 4)骨髄細胞の移入による肝移植における免疫寛容の導入は、生着延長効果がみられているものの、未だ困難であり、骨髄細胞の移入個数、投与経路とその時期についてさらに検討を要する。骨髄細胞移入群の生着延長期間中に、移植肝のAspiration Cytologyにより湿潤細胞を採取し、ドナー由来かどうかの決定をDLAの差異より検討しなければならい。また、レシピエントをresponderとするMLR反応性の検討も必要である。
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