1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671052
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
塚田 一博 新潟大学, 医学部, 講師 (90171967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 俊太郎 新潟大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 胆道癌 / マイクロ探触子 / 切除成績 |
Research Abstract |
超音波診断装置のSSD-550用センサー部(以下マイクロプローブ)を購入し,以後胆管癌,胆嚢癌,膵癌および肝腫瘍症例約20例に対して血管内超音波診断を施行した。 まず有所見症例を簡単に呈示する。(1)食道癌に合併した膵癌では術前の画像診断で膵の悪性病変の存在は否定的であったが,膵尾側脾静脈分枝からのapproachで明瞭に腫瘍を描出し,かつ脾静脈壁の不整像から悪性腫瘍の診断を得ることができた。同症例は食道癌根治術に膵尾側切除を追加し治癒切除を得ることができた。(2)進行胆嚢癌の一例では肝十二指腸靭帯内をほぼ全域に渡って浸潤性の癌進展が認められ,肉眼的には切除できる可能性は低い,あるいはかなり長い範囲の門脈切除・再建が必要であると思われた。しかし,小腸腸間膜血管から門脈に挿入したマイクロプローブにより,門脈壁は周囲からの圧迫による全周・ほぼ全域に渡って変形を認めるものの門脈壁への直接浸潤はないと判断された。同症例は拡大肝右葉切除+膵頭十二指腸切除により主病変切除が可能となり,術後の組織学的検索にて圧迫の主体は傍神経浸潤や脈管侵襲であること判明した。 以上から,胆道癌や膵癌からの血管侵襲の有無を血管内腔から観察・診断することは適切な手術方針を得ることに強力な補助手段となり,かつ最小限の切除範囲を求めることを可能にすることが示唆された。 今後症例を追加することにより,血管内腔の変化と浸潤の有無との相関を明らかにできるものと考えている。
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[Publications] Tsukada K et al: "Major hepatectomy and pancreatoduodenectomy for advanced carcinone of the biliarytriu" Br.J.Surg.81. 108-110 (1994)
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[Publications] 塚田一博 他: "病巣所見に応じた胆嚢癌根治手術の適応と有用性" 日本消化器外科学会雑誌. 26. 1142-1146 (1993)
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[Publications] K.TSUKADA et al: "New Frontiers in Hepato-Biliary-Pancrectic Surgery" Bangkok Medical Publisher, 459 (1993)