1993 Fiscal Year Annual Research Report
膵ラ島細胞の凍結保存に関する研究-その生物学的機能と移植効果について-
Project/Area Number |
05671055
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
中川原 儀三 福井医科大学, 医学部, 教授 (10019549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 和郎 福井医科大学, 医学部, 助手 (00181199)
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Keywords | 膵移植 / 凍結保存 / ラ島細胞 |
Research Abstract |
膵ランゲルハンス島(以下ラ島)移植において、ドナーラ島の確保とその免疫原性を修飾する目的で、ラ島を単細胞まで分散したラ島細胞の凍結保存を試みた。本年度は、ラ島細胞の凍結保存の可能性とその組織学的検討を行った。 ラットよりLacyらの方法に準じてラ島を分離し、EDTA-Dispase法でラ島細胞にまで分散した。10%FBSを加えたRPMI1640に15%Me2SOを添加した凍結用培地内でプログラムフリーザーを用いて1℃/分で凍結した。解凍は37℃の急速解凍とし、解凍後は1週間の培養を付加した。その結果、凍結ラ島細胞は、解凍後の培養2〜3日間でclusterを形成しはじめ、約1週間でPseudoislet(以下FCIC)を形成した。実体顕微鏡下でrandomly selectしたFCIC100個の面積を測定すると、28437.8±23283.0sq micronであり、対照とした培養ラ島(CI)の68%に相当し一般に小型であった。FCICの組織切片のヘマトキシリン-エオジン染色像では、細胞変性、核濃染像などの変化は認めず、CIと同様の組織像であった。免疫組織化学染色では、インスリンおよびグルカゴンの局在もCIと同様であった。また、インスリン染色陽性細胞/全ラ島細胞の面積をB-ratioとするFCICのB-ratioは、91.8±0.1%であり、対照(CI)の91.8±0.2%とほぼ同様であった。 以上より、ラ島細胞の凍結保存は可能であり、解凍-培養後に得られるラ島様組織(Pseudoislet)は、組織学的に培養ラ島(CI)とほぼ同様であることが示された。
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Research Products
(1 results)