1993 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌肝転移組織における薬剤耐性遺伝子の発現と癌化学療法に対する有効性の検討
Project/Area Number |
05671065
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
池口 正英 鳥取大学, 医学部, 講師 (20193188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 迪郎 鳥取大学, 医学部, 助教授 (70032208)
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Keywords | 薬剤耐性遺伝子 / P-glycoprotein / 胃癌 / 大腸癌 / Western Blot法 / 免疫組織染色 |
Research Abstract |
1.薬剤耐性胃癌細胞株の樹立に関する研究 (1)目的 胃癌細胞株の薬剤耐性に関する報告は国内外においてみられず,本研究において薬剤耐性胃癌細胞株が確立されれば胃癌に対する制癌化学療法の研究に寄与するものと期待された. (2)成果 MKN-7(高分化型腺癌),HSC-43(スキルス胃癌)の2種類の胃癌細胞株を使用した.低濃度のアドリアマイシン添加培養液にて細胞を培養し,徐々にアドリアマイシンの濃度を上げてアドリアマイシン耐性株の樹立を目指したが,アドリアマイシン20ng/mlの濃度で細胞はすべて死滅し,胃癌細胞におけるアドリアマイシンの耐性株の確立は断念せざるを得なかった. 2.大腸癌組織におけるP-glycoploteinの発現に関する研究 (1)目的 大腸正常粘膜は,分泌腺としてP-glycoploteinを有することが知られているが,大腸癌組織におけるP-glycoploteinの発現に関しては不明な点も多い.大腸正常粘膜,癌組織におけるP-glycoploteinの発現をWestern Blot法,免疫組織化学染色で検討するとともに,癌遺伝子(C erb B-2),癌抑制遺伝子(P53)の組織での発現と対比した. (2)成果 Western Blot法による検討では,大腸正常粘膜におけるP-glycoploteinの発現は4/22(18.2%)に認められた.大腸癌組織では7/22(31.8%)に発現が認められたが,組織型別に検討すると,wellで4/7(57.1%),muc1/2(50.0%)と高率であったのに対し、modやporでは2/7(22.2%)と低値であった.また,免疫組織化学染色では正常大腸粘膜P-glycoploteinは100%に発現が認められたが,wellさらにmodと細胞の分化度が低くなるほどP-glycoploteinの発現は低下する傾向にあった.
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