1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671080
|
Research Institution | KYOTO PREFECTURAL UNIVERSITY OF MEDICINE |
Principal Investigator |
山口 俊晴 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90111327)
|
Keywords | アンチセンスDNA / 標的治療 / 遺伝子治療 / 抗体 |
Research Abstract |
平成5年度にはc-myc遺伝子のアンチセンスDNAを直接抗体で修飾することで、選択的遺伝子治療を試みたが効率が極めて不良であったため、今年度はc-myc遺伝子のアンチセンスDNAをneo遺伝子とともに、抗体でコートしたレトロウイウルスをベクターとして導入した。G418で選択した後、大腸癌におけるc-mycの選択的発現抑制を蛋白レベルで免疫組織化学的に検討した。抗体とウイルスの結合はSPDPあるいはAvidin-Biotinの系を用いた。培養大腸癌細胞に添加してc-mycの発現が阻止されるか検討したが、その効率は極めて低く、実用化には更に検討を要するものと考えられた。抗体認識抗原をもたない腎癌の培養系では、c-mycの発現は完全には抑制できなかった。 また、抗体の分子サイズによる違いを検討したところ、wholeの抗体あるいはF(ab)'_2では特に差は認められなかったが、Fab fragmentを利用した場合、大腸癌細胞におけるc-myc遺伝子の発現抑制作用は弱かった。このように抗体のサイズで差が認められた原因は、主に抗体としてのaffinityの差によるものと考えられた。 以上の様にウイルスに導入したc-myc遺伝子アンチセンスDNAの、c-myc遺伝子発現抑制作用は期待したより効率が悪く、このままの状態では実用化ができないことが明らかになった。しかし、効率は悪いとはいえ抗体をキャリアーとした選択的遺伝子導入が可能なことが示されたので、今後はウイルスベクターの改良に重点をおいて研究を進めるべきと考えられた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] T.Yamaguchi: "In vivo efficacy of neocarzimostatin coupled with Fab human/mouse chimeric monoclonal antibody A7 against human colorectal cancer." Jpn.J.Cancer Res.85. 167-171 (1994)
-
[Publications] N.Yamaoka,: "In vitro reactivity and in vivo biodistribution of the monoclonal antibody A7 using human gastric carcinoma cell lines." Br.J.Cancer. 70. 405-408 (1994)
-
[Publications] E.Otsuji: "Biodistribution of neocarzinostatin conjugated to chimeric Fab fragments of the monoclonal antibody A7 in nude mice bearing human pancreatic cancer xenografts." Jpn.J.Cancer Res.85. 530-535 (1994)
-
[Publications] E.Otshuji: "Antitumor effect of neocarzino-statin conjugated to human/mouse chimeric Fab fragments of the monoclonal anti-body A7 on human pancreatic carcinoma." J.Surg.Oncology. 57. 230-234 (1994)
-
[Publications] 山口 俊晴: "モノクローナル抗体を用いた癌転移の治療." 実験医学. 12. 1101-1105 (1994)
-
[Publications] 山口 俊晴: "単クローン抗体A7によるがん治療." 癌と化学療法. 21. 157-162 (1994)