1993 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌の転移・再発のモノクローナル抗体による質的画像診断
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05671097
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
渡辺 正 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (20144157)
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Keywords | 画像診断 / CEA / モノクローナル抗体 / 大腸癌 |
Research Abstract |
我々は、大腸・直腸癌に対する質的画像診断をめざして、CEAに対するモノクローナル抗体CEA102を作製し、^<137>I標識抗体を用いて、臨床例25例を行った。その結果、直腸癌局所再発の診断において、術後の肉芽性変化と再発巣との識別に有効な症例を経験したが、画像のQuality、時間がかかる等の欠点を有するため、その改良としてF(ab′)_2分画の利用、FCRによるAutoradiography等の基礎的検討を行ってきた。しかしながら、^<131>Iはgamma-線の放出により画質が不十分であり、またSPECTが用いられない等、大腸癌で最も診断の困難な直腸癌の局所再発の診断には不向きである。そこで平成5年度は^<111>Inの使用を中心に1.^<111>Inと^<131>Iの実験モデルを用いてその体内動態を検討し、^<111>Inの至適投与量、適切な撮影時期の検討、2.SPECTを用いて多数の臨床例を行い、一般検査としての実用性を検討する、等を課題として行った。ヌードマウスを用いた実験において、^<131>Iが3〜5日目に腫瘍集積比が最も高いのに対し、^<111>Inでは1日目が最も強く、以後減弱した。また^<111>Inは肝・脾などの網内系への取り込みが高く、時に腫瘍より集積率が上昇した投与抗体量は^<131>Iと同様2〜4mg(ヒトの場合)でよいことが判明した。臨床例は進行大腸癌6例、CEA産生小腸腫瘍に行い、標識抗体投与後1〜3日間、planer scan及びSPECTを施工して撮影したところ、全例に描出が可能であった。 以上より^<111>Inの有用性が示されたが、肝・脾へのとり込みが強いため、肝再発等への画像診断が困難であるため、平成6年度はTc^<99m>等の核種による画像診断を中心に行う予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 渡辺正: "131J標識CEA102モノクローナル抗体の投与により診断した直腸癌局所再発の1例" 大腸肛門誌. 42. 1272-1277 (1989)
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[Publications] 和田喜美夫: "抗CEAモノクローナル抗体を用いた大腸癌の画像診断-第2報モノクローナル抗体CEA102のwhole IgGとF(ab′)_2の比較" 日外会誌. 93. 266-273 (1992)
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[Publications] T.Satoh: "Autoradiogaphic Anaiysio of radiolubeled anti CEA monoclonal antilody in coiorectic canrir using Compeetid Reding aply" Jpn J.Cancor Res.83. 379-386 (1992)
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[Publications] J.Sakamoto: "Detection of locallyrecurrent colorectal canar with radriabeied moncolonai antlbeey H-15." Jpn J.Cancor Res.83. 1373-1381 (1992)
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[Publications] 村上和之: "抗CEAモノクローナル抗体を用いた大腸癌の画像診断-第3報-" 日外会誌. 94. 119-127 (1993)
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[Publications] J.Sakamoto: "Radio imvunolaculization of human colorectal carcinoma xenograprt with F(ab)_2 fragment of an anti-Sialyl Lewis^a monoclnal antibody." Ann Cancer Res Ther. 2. 199-203 (1993)
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[Publications] 渡辺正: "直腸肛門の外科・局所再発の対策と手術" 医学書院(高木弘編著), 363 (1993)
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[Publications] 桐山幸三: "最新医学からのアプローチ9.複合糖鎖" メディカルレビュー(神奈木玲児編著), (1994)