1993 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈バイパスグラフト内の圧・流量関係に基くグラフトの機能評価に関する研究
Project/Area Number |
05671133
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
半谷 静雄 北里大学, 医学部, 講師 (80075522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 昭 北里大学, 医学部, 教授 (20050338)
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Keywords | 冠動脈バイパス術 / 冠動脈内圧-流量関係 / ドプラカテーテル / 各グラフト機能評価 |
Research Abstract |
1.研究対象 冠動脈バイパス手術症例(CABG)15例,健常例10例を研究対象とした。 研究方法 冠動脈造影時にCABG群ではバイパスグラフト内に,健常例では左冠動脈主幹部内に超音波ドプラカテーテル(DC-201,Millor社)を挿入し,先ず定常状態下での冠流速波形を記録した。同時にmultisensor catheter(VPC series,Millor社 現有部品)を大動脈内に挿入し,大動脈内流速及び圧の同時測定も合せて行った。 (1)定常状態下での冠動脈(バイパスグラフト)内圧・流量関係の検討 大伏在静脈使用グラフト(SVG)内,内胸動脈使用グラフト(IMA)内及び正常左冠動脈内の圧(大動脈圧で代用)と流速関係を拡張期各時相で求め,両者の一次回帰式から,以下の各パラメータを算出した。 ◎有効下流圧:先の一次回帰式の流速がゼロの時点での大動脈圧(Pfz) ◎冠循環抵抗単位(CRU):先の一次回帰式の傾きの逆数 測定結果 グラフト内及び左冠動脈内の圧と流速間には,例外なく極めて良好な線形関係がみられた。各群のPfz値はSVG群56±22-Hg,IMA群52±27-Hg,健常群58±12-Hgで3群間に有意差はなかった。CRU値はSVG群か7.4±2.6(mmHg/U)で,IMA群(4.7±2.3),及び健常群(4.3±2.7)よりも有意に高値を示したが,IMA群と健常群間には有意差はなかった。 以上から定常時のCRUの比較からはIMAがSVGより優れていることが示唆されたが,次年度には更に,ストレス等の各条件下での各グラフト機能の評価を予定している。
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