1993 Fiscal Year Annual Research Report
低温人工髄液灌流による虚血脳保護に関する研究-脳に限局した低体温法として
Project/Area Number |
05671182
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河瀬 斌 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40095592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 則之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80220268)
清水 克悦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80216085)
三谷 慎二 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90200047)
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Keywords | brain hypotermia / perfusion model / cat |
Research Abstract |
研究計画は一部変更し、A、Bの実験を行った。 A)右脳室より大槽を潅流経路とし、人工髄液(18-24℃)を60ml/hrで潅流した。潅流前、中(1hr)、後の各所脳温、CBF、およびBP、ABGの変化を検討(n=11)。 B)右頭頂葉硬膜上に人工髄液潅流用プールを試作し、A)と同様に検討した(n=5)。又、左右cortexの温度センサープローベを2-10mmまで2mmずつ挿入し、温度勾配についても検討した(n=6)。 (結論と達成点) 【.encircled1.】室温放置下人工髄液潅流により、温度勾配を持つ2-3℃のmild hypotermiaを得た。【.encircled2.】冷却は局所温度環境の変化によると考えられた。【.encircled3.】簡便で脳局所代謝および他臓器への影響も少なく、臨床応用は充分に可能と考えられ、脳冷却法としての有用性が確立された。 (問題点) 【.encircled1.】preliminaryな実験で潅流髄液温を10℃程度に下げたが、moderate hypothermiaは得られなかった。しかし、moderate of deep hypothermiaにはre-warming時のacute brain swelling等の問題が大きく、臨床応用上はmild hypothermiaが有利と考えられた。又、虚血負荷時に本法によるmild hypothermiaを加えた群と他法によりmoderate hypothermiaを加えた群を比較検討し、本法の有用性を確立したい。【.encircled2.】本法による脳冷却には温度勾配があり、実際に虚血負荷が加わった時点での脳保護効果を与える範囲が不明であるが、遠隔細胞への保護効果も考えられ(三谷らの平成4年度奨励研究A:課題番号04771003の結果より)、平成6年度に予定されている本研究の負荷実験の結果に期待している。 尚、平成5年度の研究結果は、第52回日本脳神経外科学会シンポジウムにて発表した。
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