1994 Fiscal Year Annual Research Report
砂ネズミ海馬CA1領域における虚血耐性現象のメカニズムについて
Project/Area Number |
05671185
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
中込 忠好 帝京大学, 医学部, 講師 (90198052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸向 則子 帝京大学, 医学部, 教務職 (30192214)
金光 秀晃 帝京大学, 医学部, 講師 (10129992)
田村 晃 帝京大学, 医学部, 教授 (80111532)
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Keywords | 神経細胞 / 蛋白合成 / ストレス蛋白 / ウエスタンブロット / 蛋白合成阻害剤 |
Research Abstract |
1.虚血耐性を獲得した神経細胞における蛋白合成の回復をオートラジオグラフィーで検討した。蛋白合成は、放射性バリンの脳への取り込みで評価した。その結果、虚血耐性を獲得した神経細胞では、単なる二分の非致死的虚血後における蛋白合成の回復よりも更に回復速度が速い事が明らかとなった。この結果はオートラジオグラフィーだけでなく海馬の組織を電子顕微鏡で観察し確認した。 2.虚血以外のストレス、例えば蛋白合成阻害例も海馬の神経細胞にストレス蛋白を誘導することとが判った。 3.ストレス負荷の違いに拘わらず動物にはストレス蛋白が誘導されるが、誘導される蛋白には差がある可能性が考えられた。そこで非致死的2分虚血と蛋白合成阻害剤を与え、合成された蛋白をウエスタンブロットで検討したが、両者の間には明らかな差のない事が判った。 研究の評価としては、 1.非致死的2分虚血と蛋白合成阻害剤を与えた後に合成される蛋白のパターンに差が存在しなかった。その原因の一つとして、2分間の虚血ではストレスとしては弱いため誘導されてくる蛋白で明らかな物が見つからなかった可能性が考えられる。 2.カゼインキナーゼの阻害剤であるヘパリン脳室内投与の結果は、神経細胞死保護効果について無効のことが多かったが、結果がばらついており今後更に検討を要する。
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