1994 Fiscal Year Annual Research Report
神経栄養因子と脳移植による脳損傷後の神経機能回復の比較検討
Project/Area Number |
05671193
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
片岡 和夫 近畿大学, 医学部, 講師 (10221178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種子田 護 近畿大学, 医学部, 教授 (10236713)
近藤 澄夫 近畿大学, 医学部, 助手 (30225619)
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Keywords | 脳損傷 / 大脳皮質 / 視床 / 線条体 / 黒質 / マイクログリア |
Research Abstract |
脳損傷後,損傷部位に一致する神経機能障害を生じる.こうした神経機能障害は時間の経過とともにある一定のレベルまでは回復する.こうした自然経過による神経機能回復のメカニズムを解明することはより一層の神経機能回復をめざす上で極めて重要な課題である.脳においては各神経組織は様々な神経連絡により神経回路網を作り,神経機能を維持している.局所の脳損傷であってもその神経連絡を通してその影響はしばしば脳損傷の遠隔部におよびうる.すなわち大脳皮質損傷後,そこと神経連絡を持つ視床において神経機能障害を生じさらに著明な組織学的な退行変性を生じる.これまでの研究により視床に退行変性に対して神経栄養因子であるb-FGFを脳内に投与することによって組織学的な改善が得られるが,しかし,大脳皮質が損傷を受けたままb-FGFにて視床の退行変性を防止するとむしろ視床神経細胞の神経機能はより障害されることが明らかになった.さらに線条体と黒質の神経回路網においても線条体の破壊により黒質が退行変性に陥るが神経伝達物質であるGABAを投与することによりこの線条体破壊後の黒質変性が組織学的に防止し得るが神経機能の回復はかえって障害を受けることが知られている.平成6年度では大脳皮質損傷の視床および線条体損傷後の黒質の病態について組織学的に検討をさらに進めた.ラット大脳皮質損傷後同側視床にproliferating cell nuclear antigen(PCNA)陽性細胞の出現を認めた.またラット線条体損傷後黒質においてもPCNA陽性細胞の出現が疑われた.これらは形態から判断して通常のグリア細胞ではなくマイクログリアの可能性が高いと考えられる.
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