1993 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧自然発症ラットにおける大腿骨頭壊死の発生と性ホルモンとの関係
Project/Area Number |
05671221
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩崎 勝郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60039542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 徹 長崎大学, 医学部, 講師 (00108284)
小田 純爾 長崎大学, 医学部, 助手 (30253644)
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Keywords | 高血圧自然発症ラット / 大腿骨頭壊死 / 性ホルモン |
Research Abstract |
高血圧自然発症ラット(SHR)の大腿骨頭壊死には明らかに雄雌差があり雄に好発する。それで本研究では性ホルモンのバランスを変化させた状態での壊死発生の頻度を知ることを目的とした。 生後6週の雄、雌のSHRと、対照としたウイスター京都ラット(WKY)をそれぞれ6群にわけ以下の処置を行った。第1群:無処置の雄ラット、第2群:両側睾丸を摘出した雄ラット、第3群:両側睾丸摘出ラットにテストステロンを投与したもの、第4群:無処置雌ラット、第5群:両側卵巣を摘出した雌ラット、第6群:卵巣摘出ラットにテストステロンを投与したもの。各群10匹づつを15週まで飼育したあと屠殺し、大腿骨を摘出、ホルマリン固定し、脱灰後H・E染色にて骨頭の組織学的検索を行った。 各群10匹20骨頭における骨壊死発生数は、WKYでは第1群3、第2群3、第3群2、第4群2、第5群3、第6群3であった。一方SHRでは第1群12、第2群4、第3群6、第4群2、第5群8、第6群9であった。 以上のことは、骨頭壊死の頻度はSHRの雄ラットでは無処置群の頻度が高い睾丸摘出で低下すること、雌では無処置では低いが、卵巣摘出やテストステロン投与で高くなることを示している。一方WKYでは骨頭壊死の頻度もひくいが、また性ホルモンバランスの変化の影響を全くうけていないことがわかった。すなわちSHRでは特異的に性ホルモンの影響をうけて骨頭壊死が発生することが示唆された。
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