1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671223
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
菊地 臣一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80045773)
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Keywords | 腰痛 / コンパートメント症候群 / 腰痛性間欠跛行 |
Research Abstract |
(疫学的研究)福島県南会津群下郷町の平成5年度基本検診受診者1903人(男性724人、女性1179人、平均年齢62.8才)を対象とした。調査は、腰痛の有無と経過、腰痛の性質についての問診を行い、腰痛有病率と腰痛性間欠跛行の頻度を算出した。 調査時における腰痛(下肢痛を伴わない)有病率は1903人中872人(46%)、男性では724人中287人(40%)、女性では1179人中585人(50%)であり、女性が有意に腰痛有病率が高かった。(p<0.001)。腰痛群の中で間欠跛行を伴う頻度は872人中381人(44%)であった。年齢と腰痛性間欠跛行の頻度を見てみると、30代と40代の腰痛有病率はそれぞれ35%と40%であったが、腰痛性間欠跛行を認めた例は1例も存在しなかった。それに対して、70代と80代の腰痛有病率はそれぞれ50%と54%であったが、腰痛の中に占める腰痛性間欠跛行の頻度は71%と97%となり、加齢と伴にその頻度は有意に増加していた(r=0.963 p<0.001)。 (実験的研究)雑種成犬10頭に対して、中枢性筋弛緩剤(塩酸エペリゾン;1mg,5mg,10mg/Kg体重、チザニジン;10mug,50mug,100mug/Kg体重)を投与した際の脊柱起立筋の筋血流量に与える影響について検討した。筋血流測定はレーザードップラー法を用いた。 塩酸エペリゾンは血圧を一過性に下降させたが、筋血流量に対しては増加の方向に作用した。投与後血流増加量は1mgでは40±43%,(平均±SD)5mgでは42±14%,10mgでは30±58%であり、5mg/Kgの投与が最も筋血流を増加させた。 チザニジンは血圧の著しい上昇と除脈を発生させたのに対し、筋血流量に対しては低下の方向に作用した。しかし、筋血流低下は一過性であり、最終的には復元するか増加に転じた。投与後血流低下量は10mugでは3±28%,50mugでは-50±15%,100mugでは-52±16%であり、その低下量は用量依存的に顕著となった。
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Research Products
(2 results)