1993 Fiscal Year Annual Research Report
断裂アキレス腱に対する早期運動の効果について 生体力学的、生化学的、組織学的検討
Project/Area Number |
05671225
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
野口 昌彦 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60208329)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 俊哉 京都府立医科大学, 医学部, 研修員
常岡 秀行 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (20188600)
日下 義章 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40205068)
|
Keywords | アキレス腱 / 手術的治療 / 早期運動療法 / 生体力学的特性 |
Research Abstract |
日本白色雄性家兎(2.5-3.0kg)を用いた。ペントバルビタールの静脈麻酔下にアキレス腱を露出し切断予定部位の近位1cmおよび遠位1cmに青色ナイロン糸でマーキングした。踵骨付着部より1.5cm近位にてアキレス腱を横切し、手術的治療群は4-0ナイロン糸でKessler変法および辺縁のrunning sutureを用いて縫合し、大腿から足尖にかけてプラスチックキャストにて固定した。保存的治療群は縫合せず同様に固定した。手術的治療群、保存的治療群ともに3週間の固定を行った家兎を早期運動群、6週間の固定を行った家兎を固定群とした。6週および12週に踵骨-腱複合体を採取し、力学的に評価した。また、反対側の踵骨-腱複合体を採取し対照とした。手術的治療群において、剛性は6週で早期運動群では20%(実験値/対照値)、固定群では6%であり、12週ではそれぞれ33%および10%に増大した。最大破断張力は6週で早期運動群では40%、固定群では20%、12週ではそれぞれ85%および60%に増大した。保存的治療群は最大底屈位で大腿から足尖にかけて固定したにもかかわらず、青色ナイロン糸によるマーキング間に明らかなギャップが形成され癒合しなかったものが多く、固定方法の改良が必要と考えられた。以上より、アキレス腱断裂を観血的に治療する場合において、腱縫合後、主として行われている長期の固定は必要なく、短期の固定を行って早期運動を開始することにより生体力学的にも良好な結果が得られることが示唆された。組織学的および生化学的には現在検索中である。
|
Research Products
(1 results)