1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671227
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Research Institution | SAITAMA MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
坂田 悍教 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (80178558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野原 真一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20199011)
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Keywords | 末梢神経 / 絞扼性末梢神経障害 / 血流量 / 実験血神経障害 |
Research Abstract |
平成7年度 絞扼性神経障害における血行動態 1)絞扼性神経障害の病態に神経の圧迫・牽引・阻血性変化が主に関与している。現在まで神経の圧迫実験は多くみられるが、血流動態についての実験は少ない。今回、絞扼性神経障害モデルを作製し、神経内血流病態について検討した。 2)絞扼性神経障害モデルはMackinnonらの方法に準じて作製した。この方法において神経内膜の線維化・髄鞘の菲薄化・神経周膜の肥厚などの組織学的変化、大径繊維の減少、伝導速度の遅延などの電気生理学的変化も術後8か月に観察され、慢性絞扼性神経障害モデルと考えられた。 3)家兎坐骨神経の血流測定においてcolored microsphere法は、計測神経の質量が小さく実用的でなかった。 4)Laser doppler flowmetry(LDF)法による血流量の測定で、絞扼性神経障害部(tube内)は55〜85%(対側のコントロール)、tube近位の偽性神経腫の部位で50〜110%の血流が観察された。 5)絞扼性神経障害部位血管の観察では、神経束間、神経内膜にintrinsic・extrinsic vesselの両者の血管数の減少軽度認めたが、比較的良く温存されていた。 6)我々の実験では神経内の組織学的変化が血流量に比べて強く、組織学的変化が単に阻血による破壊や機械的圧迫でなく、神経関門などの破綻から生じる神経内浮腫や静脈性の内圧上昇の結果であることが示唆され、絞扼性神経障害の病態にこれらが関与していることが考えられた。
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