1994 Fiscal Year Annual Research Report
人工股関節置換術後の弛みと骨吸収因子との相関及び骨形成因子を用いた予防的研究
Project/Area Number |
05671233
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
黒木 良克 昭和大学, 医学部, 教授 (00053794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 淳慈 昭和大学, 医学部, 助手 (70255834)
今里 有紀彦 昭和大学, 医学部, 助手 (00221094)
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Keywords | Revision / Loosening / 骨吸収因子 / 骨透亮像 |
Research Abstract |
股関節置換術後、進行性に拡大する骨透亮像がしばしば観察される。この骨透亮像の形成機序を明らかにするために、セメント型人工股関節およびセメントレス型バイポーラ人工骨頭置換術後に再置換に至った症例を対象に、X線所見から人工関節周囲に生じた骨透亮像を2つの型(帯状、虫喰い状)に分類し、生化学的・組織学的検索を行った。 その結果、虫喰い状の部位におけるinterface組織では帯状の部位と比較して、各種の粉、多くのマクロファージ、異物巨細胞が観察され、生化学的にはIL-6およびIL-8が有意に高値を示すことが明らかになった。以上より、looseningの発生機序には大別して2つの系が存在することが判明した。すなわち、1つは、各種デブリスやmicromovementにマクロファージ、Tリンパ球が刺激され、サイトカイン等が放出され、その結果、破骨細胞が活性化されて骨吸収が進行する系であり、もう一方は、生体力学的に安定していないインプラントにより、直接骨を壊死に陥らせる系である。 現在、骨吸収のメカニズムをin vitro系で検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 平川誠: "人工股関節置換術後に生じるlooseningの発生機序について" CONNECTIVE TISSUE. 26(in press). (1995)
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[Publications] 今里有紀彦: "人工股関節置換術後の周囲組織における骨吸収能に関する検討" 人工関節研究会誌. 25(in press). (1995)
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[Publications] 黒木良克: "人工股関節術後の弛みの原因と再置換術について" リウマチ. 33. 341-351 (1993)
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[Publications] 今里有紀彦: "セメント使用型人工股関節置換術後に生じるlooseningの発生機序に関する研究-X線所見と生化学的ならびに免疫組織化学的所見を対比して-" 人工関節研究会誌. 24. 78 (1994)
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[Publications] 林淳慈: "セメントレス人工骨頭置換術後に生じるlooseningの発生機序に関する研究-X線所見と生化学的ならびに免疫組織化学的所見を対比して-" 人工関節研究会誌. 24. 78-79 (1994)