1994 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性滑膜組織における光感受性物質の取り込みとレーザー照射の効果についての研究
Project/Area Number |
05671237
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
大辻 孝昭 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80223874)
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Keywords | レーザー照射 / 滑膜組織 / 光化学療法 / 慢性関節リウマチ |
Research Abstract |
我々は、光化学物質は慢性関節リウマチの滑膜組織の増殖滑膜、血管に選択的によく残留することを関節炎モデルで明らかにしてきたが、一方でこれらの物質は正常血管周囲組織にも残留し、光化学療法を効果的に行う際には隣接する軟骨、骨への栄養血管への何等かの影響は避けられないことが明らかになった。こうした影響は投与する光化学物質の量、レーザーの強度、照射範囲などのパラメーターを試行錯誤しながら変化させ、最適照射条件を決定することによってある程度は克服できると考えたが、実験モデルが小動物で、レーザー照射範囲、照射深度の選びかたが困難であることから、これ以上の動物治療実験には限界があるという結論に至った。 人間の慢性関節リウマチの関節鏡視下滑膜切除に際してはレーザー照射の範囲のコントロールは十分に可能であり、治療の実験系としては実験動物よりもはるかに容易かつ正確なデータが得られるものと思われるが人間への応用は、未だ副作用の予測ができない現段階では時期尚早と思われる。今後実験動物で、長期にわたる副作用や全身への影響を明らかにして行きたい。
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