1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671242
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
三河 義弘 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (40144381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 健二郎 川崎医科大学, 医学部, 助手 (90197674)
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Keywords | 椎体終板 / buscular buds |
Research Abstract |
4.5〜5歳のカニクイザル(雄)を対象とした。これをネンブタール麻酔下にKCLを静注屠殺した後、腹部大動脈よりアクリル系合成樹脂(メルコックス【.encircledR.】)を注入し、腰椎を一塊として摘出した。15%NaOHで軽部組織を溶解後、EDTAにて脱灰を行い、血管鋳型を作成し、三次元的構造を実体顕微鏡および走査電子顕微鏡下に観察した。 実体顕微鏡下における観察では、椎体終板における毛細血管叢は椎間板に対し平坦に広がっているのではなく、終板の前方部から側方部にかけて波打った形態を呈しており、この波は中央やや後方寄りの部位を中心にして、放射状に走っていた。この波の高さは、椎体辺縁部で高く、中心に行くに従って低くなり、次第に平坦に近くなっていた。走査電子顕微鏡下における観察では、この波打った形態を呈する毛細血管叢の最外層において、buscular budsと呼ばれる微細血管構造を見ることができた。この形態はループ状を呈しており、すでに報告されているウサギのbuscular budsと類似したものであった。 この椎体終板における毛細血管叢の波状形態の三次元的観察は、ヒトではまだ報告されていないが、ヒト遺体の骨標本の観察で、幼児期〜約30歳の間に、特有な溝構造を呈することが報告されており、ヒトにおいても同様な波状形態を呈していることは十分に推測される。またこの形態は1.拡散による椎間板への栄養供給の増加、2.終板における血液貯留と荷重支持力、3.加令性変化などとの関連が推測され、脊椎構造上意義深い形態と考えられた。
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