1994 Fiscal Year Annual Research Report
神経筋遮断測定に用いられる異なったハ-ラメータの間の関係
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05671250
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
菅井 直介 東京大学, 医学部(病), 講師 (10010563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 直 東京大学, 医学部(病), 助手 (20191108)
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Keywords | 拇指内転筋トランスジューサ / 筋弛緩 / 3-OHベクロニウム / 筋弛緩薬自動注入システム / ロクロニウム |
Research Abstract |
1)麻酔中の筋弛緩の測定のために用いられる拇指内転筋の力の測定のために、手のみにトランスジューサを着けて、手とトランスジューサを一体化した2種類のトランスジューサを開発した。両者ともセンサーには同じものを用いた。いずれのタイプも外乱に影響されにくく実用的であることが解った。 4)ベクロニウムの水酸化代謝物の一つである3-OHベクロニウムはベクロニウムの50-80%の力価を有し、人では主として腎から排泄されると考えられている。腎機能の無い19歳の患者において、ベクロニウム投与後、拇指内転筋のEMGによるTOFを記録し、筋弛緩作用の遅延が認められた。さらにベクロニウムと3-OHベクロニウムの血中濃度を測定し、TOFとこれらの血中濃度との関係を解析した。この患者ではベクロニウムにへの感受性の亢進はなかったが、Tlの25%回復の時点は3-OHベクロニウムの蓄積が認められた。筋弛緩作用およびベクロニウムと3-OHベクロニウムの薬物動態の解析を行い、この患者では3-OHのベクロニウムからの生成の方が排泄よりも大であることを示した。 5)閉ループ制御を応用した筋弛緩薬自動注入システムを開発した。 6)新しい筋弛緩薬であるロクロニウムの神経筋遮断作用とこれに相関する血漿濃度の関係をHill plotにより解析した。単収縮の50%抑制を起すロクロニウムの血漿濃度Cp50はベクロニウムのそれの13倍であることが解った。 7)筋弛緩薬の臨床の基礎を整理して総説をまとめた。筋弛緩薬の歴史に関しては、いままで記載されることの少なかった日本における歴史および、GriffithとJohnsonがはじめて筋弛緩薬を使用するに至った背景について文献的に考察した。また、神経筋接合部の解剖、生理、薬理および筋弛緩薬の一般的特徴、その薬物動態と薬効力学についても解説した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 菅井 直介,矢島 直: "神経筋モニターにおける拇指内転筋の単収縮力と足の筋肉のEMGとの比較" 麻酔集中治療とテクノロジー. 1994. 1-4 (1994)
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[Publications] 菅井 直介: "ベクロニウム最終使用後2時間以上経過しているときはリバースをしなくても問題はないか(質疑応答)" 臨床麻酔. 18(6). 808-809 (1994)
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[Publications] Sugai N,Yajima C: "Pharmacokinetics and pharmacodynamics of aminos toroidal neuromusculer blocking agents and their metabolite" Proceedings of the 5th Neuromuscular Meeting. (in press). (1995)
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[Publications] 菅井 直介,矢島 直: "拇指内転筋収縮力測定用の固定の容易なトランスジューサ" 麻酔集中治療とテクノロジー. 1995(印刷中). (1995)
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[Publications] Sugai N,Yajima C: "A System for measurement of the neuromusculer blockade * transducers incorporated with the hands" J of Anesteosza. 9(in press). (1995)
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[Publications] 菅井 直介: "筋弛緩薬の基礎(鈴木太編「筋弛緩薬の臨床」)" 克誠峯出版, 23 (1994)