1993 Fiscal Year Annual Research Report
ミダゾラムの呼吸中枢ニューロンに対する抑制機序とフルマゼニルによる拮抗
Project/Area Number |
05671253
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
櫨 彰 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (50228433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 龍司 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80020791)
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Keywords | ベンゾジアゼピン / 呼吸抑制 / 呼吸中枢ニューロン / 活動電位 / 膜電位 |
Research Abstract |
ミダゾラム(ベンゾジアゼピン系薬物)の呼吸中枢神経機構に対する抑制機序を解明する目的で,ミダゾラムの静脈内投与を行い呼吸中枢ニューロンの変化を検討し,あわせてフルマゼニルによる拮抗作用を調べた. 標本には,除脳,無麻酔,非動化,人工呼吸下ネコを用いた.血圧,直腸温,呼吸中酸素および炭酸ガス濃度を連続的に監視し,適正に保った.頸部より横隔神経遠心性活動を記録し中枢呼吸リズムの指標として用いると共に,吸息時間および呼息時間を測定した.ガラス微小電極により延髄腹側呼吸性ニューロン群領域より呼吸中枢ニューロンの膜電位および活動電位を記録した.また,迷走神経および上喉頭神経の電気刺激を行い,呼吸性ニューロンに誘発されたシナプス後電位,特に抑制性シナプス後電位の変化を調べた. その結果,ミダゾラムは横隔神経活動を抑制し,吸息および呼息時間をともに短縮させた.一方,GABA_A受容体の遮断薬であるビククリンでは逆に横隔神経活動は不規則に増大し,呼吸周期も乱れた.このビククリンによる変化は,ミダゾラムの投与により拮抗された.すべての呼吸性ニューロンはミダゾラムにより過分極し,活動相に認められる自発性活動電位発射は減少あるいは抑制された.非活動相に認められる抑制性の過分極電位は増大した.また,誘発性シナプス後電位のうち興奮性のものは変化しなかったが,抑制性シナプス後電位は増大した.ミダゾラムによる変化は,ベンゾジアゼピン受容体遮断薬であるフルマゼニルの投与により拮抗された. 以上より,ミダゾラムによる呼吸抑制は,呼吸中枢神経系に存在するGABA_A-ベンゾジアゼピン受容体の機能を亢進することにより発現することが明かとなった.
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