1993 Fiscal Year Annual Research Report
麻薬、非麻薬鎮痛薬の低酸素、高炭酸ガス換気抑制機序の呼吸循環応答測定法による検討
Project/Area Number |
05671255
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
原田 純 福井医科大学, 医学部, 助教授 (20094394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 公一 福井医科大学, 医学部, 助手 (50237963)
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Keywords | 鎮痛薬 / 麻薬 / 低酸素換気応答 / 炭酸ガス換気応答 / 呼吸筋筋電図 |
Research Abstract |
本来換気増大の刺激となる低酸素血症および高炭酸ガス血症が、麻薬、非麻薬性鎮痛薬の使用時には、逆に呼吸中枢の抑制を起こし、患者を致命的な状態へと陥らせる恐れがあるため、この換気抑制機序を解析し、鎮痛薬投与の安全域を検討することを目的にこの研究計画をたてた。当初、実験動物として雑種成犬を用いたが、途中より入手困難となり実験動物をラットに変更した。そのため、換気応答反応の指標として予定した換気量の測定が困難となったため、呼吸数、呼吸筋筋電図、呼吸筋血流量を測定することとした。すなわち実験動物に対し、麻薬、非麻薬性の各種鎮痛薬を投与したうえで、動脈血炭酸ガス分圧を維持したまま低酸素吸入負荷、また動脈血酸素分圧を維持したまま高炭酸ガス吸入負荷を行い、この時に生じる換気応答反応を、各測定値の推移より分析することを計画した。拮抗性鎮痛薬ペンタゾシンの腹腔内投与により、呼吸中枢の抑制されたモデルをラットにより作製した。このモデルでは21%酸素呼吸下で循環系は安定しているものの、呼吸数は減少し、低酸素血症の発生が確認された。この呼吸状態は100%酸素呼吸下でも変化は見られなかった。また吸気中の炭酸ガス濃度を上昇させることにより呼吸数の増加が見られたが、ペンタゾシンの量を増加することにより呼吸停止となった。このことより鎮痛薬投与による呼吸抑制モデルをラットにより作製することができた。このモデルを使用し次年度は低酸素、高炭酸ガス負荷による換気応答反応を、呼吸数及び呼吸筋筋電図、呼吸筋血流量を測定することにより分析することを計画している。
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