1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671258
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
奥田 真弘 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (90204130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 靖 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (00227729)
古橋 一寿 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (30209184)
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Keywords | 肺 / 虚血再潅流 / 活性酸素 / キサンチンオキシダーゼ |
Research Abstract |
ラット潅流肺を用い、90分の虚血の後再潅流を行うと、急激な肺水腫の発生のため換気、潅流が不可能となる。同様の実験で90分の潅流停止中、窒素で換気を行うと再潅流後の肺水腫の発生が著明に抑制された。虚血中の窒素換気では組織中のキサンチンデヒドロゲナーゼ(XD)が最大限にキサンチンオキシダーゼ(XO)に変換され、再潅流後の酸素導入の際に多量の活性酸素が発生し、肺障害が増大することが予想されたが、反対に虚血中の窒素換気は再潅流障害を抑制するという結果であった。したがって、キサンチン-キサンチンオキシダーゼ系から発生する活性酸素が肺障害の原因とは考えにくい。しかし、活性酸素のスカベンジャーであるSODやカタラーゼを投与して、同様の虚血再潅流を行うと、完全ではないが有意に再潅流後の肺障害が抑制されたことから、活性酸素の関与はまちがいないと考えられた。また、XOの阻害剤であるアロプリノールを投与しても同様の保護作用が得られることよりアロプリノールがXOを阻害して活性酸素の発生を抑制しているのではなく、直接的な保護作用を有することが示唆された。このアロプリノールの直接的な保護作用を確かめるために、組織のXDとXOを枯渇させたラットを作成した。今年度はこのラットを用いて肺の虚血再潅流の実験を進めていく。
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Research Products
(1 results)