1993 Fiscal Year Annual Research Report
マウスにおける揮発性麻酔薬のMACに及ぼす重水の影響
Project/Area Number |
05671261
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真下 節 大阪大学, 医学部, 助教授 (60157188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幾田 信生 大阪市立工業研究所, 有機化学科, 研究主任
吉矢 生人 大阪大学, 医学部, 教授 (80028505)
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Keywords | 重水 / イソフルレン / MAC |
Research Abstract |
実験結果 I.マウスにおけるイソフルレンMACに対する重水の効果 慢性投与実験:生後8週のマウスに50%重水を含んだ水を2週間与えた後、Tail Clamp法によりイソフルレンMACを測定した。対照群では1.30%であったが、投与群では1.23%に軽度低下した。 急性投与群:照群には同量の生理食塩水を投与した後、イソフルレンMACを同様に測定した。対照群では1.13%であったが、投与群では1.03%と軽度低下した。 II.重水の麻酔作用・鎮痛作用 重水の麻酔作用:重水を腹腔内投与したとき、麻酔とにた状態が観察された。即ち、投与約3分後、外界の刺激に体する反応が低下し、後弓反張が観察された。その後、Righting Reflexが約10分間消失した後、徐々に回復した。投与2時間後には外見上ほとんど差が見られなかった。 重水の鎮痛作用:熱刺激疼痛計によりマウスが疼痛反応するまでの時間を、投与後経時的に観察した。ただし、22.8秒以内に反応しない場合は「反応なし」とした。2ml投与群では、投与後反応時間の延長が増強し、5分から10分にかけて67%で疼痛刺激に対して反応しなくなった。その後徐々に回復する過程が、反応時間から観察された。2時間後には投与前値に回復した。5ml投与群では、3分で反応時間の延長が見られ、5分から15分にかけて全例で疼痛刺激に対して反応しなくなった。その後徐々に回復し、2時間後には投与前の値と有為な差は見られなくなった。 考察 重水が、吸入麻酔薬と相加的に働くこと。重水自体に麻酔類似の作用があることがわかった。以上のことから、麻酔作用機序に、水構造の変化が関連していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)