1993 Fiscal Year Annual Research Report
P_<0.1>を指標としたプレツシャーサポート圧自動制御式人工呼吸器の開発
Project/Area Number |
05671272
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡元 和文 熊本大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60093994)
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Keywords | P_<0.1> / 呼吸仕事量 / 呼吸不全 / 人工呼吸器 |
Research Abstract |
P_<0.1>測定は、人工呼吸器の吸気開始時の時相のずれを利用して、圧トランスデューサを介してひずみ圧力用アンプとミニポリグラフで計測し、マイクロコンピュータ(マッキントッシュ、クアドラ800)にて解析した。呼吸機能測定装置(ARFEL、アイビジョン社)でのP_<0.1>測定は、個々の患者でのバルブ閉鎖時間などの設定が困難で信頼できるデータを得ることができなかった。そこで、呼吸機能測定装置の気道閉塞の時期、閉塞の持続時間、吸気呼気の認識の方法を種々に変更し確実な方法を考案中である。なお、P_<0.1>の大小と患者呼吸仕事量との関係を明らかにするために、プレッシャーサポート下の呼吸不全10症例を対象に、P_<0.1>と呼吸仕事量との関係を検討してみた。呼吸仕事量の計測には、プルモナリーモニタ(CP-100、バイコア社)を用いた。プレッシャーサポート圧を15、10、5、0cmH_2Oと低下させると、P_<0.1>は1.4±1.3、1.7±2.1、2.4±2.0、3.2±1.8cmH_2Oと増加した。患者の呼吸仕事量も0.1±0.1、0.3±0.3、0.5±0.3、0.8±0.4ジュール/Lと増加した。P_<0.1>の増加と患者の呼吸仕事量の増加は高い正相関を示したが、同時に測定した酸素消費量とP_<0.1>とは余り相関を示さなかった。酸素消費量と呼吸仕事量とも余り相関を示さなかった。酸素消費量と呼吸仕事量が正相関を示さなかったのは、酸素消費量の測定装置の感度が悪いことによることが考えられた。以上の結果は、P_<0.1>の大小は患者の呼吸仕事量の大小とほぼ一致し、P_<0.1>を測定することにより患者の呼吸仕事量を推定できることを示唆した。この事実は、P_<0.1>を指標として患者の呼吸仕事量を適正なレベルに制御するプレツシャーサポート圧自動制御式人工呼吸器が開発できることを示唆する。
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