1994 Fiscal Year Annual Research Report
くも膜下腔に投与したα2-agonistの体惟交感神経活動に及ぼす影響
Project/Area Number |
05671287
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐伯 茂 日本大学, 医学部, 講師 (50162251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 哲也 日本大学, 医学部, 助手
小川 節郎 日本大学, 医学部, 助教授 (80096792)
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Keywords | 体性交感神経反射 / α2-agonist / クロニジン |
Research Abstract |
実験動物には成猫を使用した。ウレタン、クロラロース麻酔下に人工呼吸し、片側頸動脈にカニュレーションを、また心電図監視を行ない血圧、脈拍数を連続測定した。次に、片側大腿神経に20Hz3連発の最大上刺激を与えて、腰部交感神経幹の中枢側切断端から反射性交感神経活動電位を導出した。この活動電位は非侵害性情報に関与する太い有髄神経線維(A線維)によって誘発されるAreflexと侵害性情報に関与する細い無髄神経線維(C線維)によって誘発されるCreflexから成り、共に延髄性であることが判明している。安定した活動電位が得られた後、α2-agonistであるクロニジン5μg/kg、20μg/kg、50μg/kgを静脈内投与して60分間、その後α2-antagonistであるidazoxaneを静脈内投与して30分間、これらの活動電位の振幅、血圧と脈拍の変化を経時的に記録した。 5μg/kg、20μg/kg投与群では、Areflex、Creflexともに用量依存性に抑制傾向を示したものの有意な変化ではなかった。一方、50μg/kg投与群ではAreflex、Creflexはそれぞれコントロールの約20%ならびに約30%に有意に抑制された。血圧はすべての投与群で有意に低下したものの、心拍数に関しては50μg/kg投与群でのみ有意に抑制された。これらの活動電位の抑制、血圧、脈拍数の減少はidazoxaneの静脈内投与により回復した。 以上の結果より、クロニジンの静脈内投与はくも膜下投与の場合と同様交感神経反射活動に影響を及ぼし、これが血圧、脈拍数の減少に関与していることが示唆された。また、Creflexが抑制されたことはクロニジンの静脈内投与でも鎮痛作用がもたらされることを示していると考えられる。
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