1995 Fiscal Year Annual Research Report
ガングリオシドGM3および糖転移酵素の膀胱癌治療への応用
Project/Area Number |
05671295
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
千葉 裕 東北大学, 医学部, 助手 (00227331)
|
Keywords | GM3 / 糖転移酵素 / 膀胱癌 |
Research Abstract |
1.膀胱癌組織における糖転移酵素活性。 乳頭状表在性膀胱腫瘍(表)および非乳頭状浸潤性膀胱腫瘍(浸)組織におけるGb3, GM3, GD3各合成酵素活性を測定した。Gb3合成酵素活性は(表)で0.69pmol/hr. mg,(浸)で1.2pmol/hr. mg, GM3合成酵素活性は(表)で50.0pmol/hr. mg,(浸)で32.2pmol/hr. mg, GD3合成酵素活性は(表)で10.0pmol/hr. mg,(浸)で19pmol/hr. mg(酵素活性は各々3検体の平均値)であった。以上より、乳頭状表在性膀胱腫瘍におけるGM3の蓄積は各糖転移酵素活性の相違から説明可能であった。 2.BBN誘発ラット膀胱癌モデルにおける糖脂質発現パターンの変化。 BBN誘発ラット膀胱癌モデルを作成したが、その発ガン過程における糖脂質発現パターンの変化については未検討である。 3.Brefeldin A及び遺伝子導入などによる膀胱癌細胞の増殖、浸潤能抑制効果。 膀胱癌由来細胞T24, YTS-1, KK47,尿膜管腫瘍由来YTS-3および正常膀胱粘膜由来細胞HCV-29に対して培養液中にBrefeldin Aを加え、カングリオシド発現パターンおよび増殖能、浸潤能におよぼす影響について検討した。sialyl Le^Xを発現している細胞ではBrefeldin Aの添加によってその発現が減少し、GM3の発現が増加した。また、低濃度Brefeldin Aの添加により、in vitroでの浸潤能抑制効果を認めた。しかし、GM3合成酵素のC-DNAはいまだクローニングされておらず、遺伝子導入によって膀胱癌の糖脂質発現パターンを変化させることによる増殖能や浸潤能の制御に関する検討は不可能であった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 大山 力: "膀胱癌における糖脂質発現パターンと浸潤性、増殖様式予後との関係" 日泌尿会誌. 86. 64-65 (1995)
-
[Publications] 大山 力: "マウスMBT-2細胞に対するGM3局注の抗腫瘍効果" 第53回日本癌学会総会記事. 376 (1994)
-
[Publications] 川村貞文: "ヒト膀胱癌細胞におけるGM3の浸潤抑制効果" 第53回日本癌学会総会記事. 375 (1994)
-
[Publications] 鈴木 謙一: "マウス膀胱癌(MBT-2)皮下移植腫瘍に対する高エネルギー水中衝撃波と抗癌剤併用療法" 日泌尿会誌. 85. 1464-1473 (1994)
-
[Publications] 大山 力: "精巣腫瘍におけるPLNAとAgNORの臨床的意義" 日泌尿会誌. 86. 1543-1551 (1995)
-
[Publications] Ohyama C.: "Galactosylglo boride expression in seminona" Cancer. 76. 1043-1047 (1995)