1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671296
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星 宣次 東北大学, 医学部・泌尿器科, 助教授 (80107200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折笠 精一 東北大学, 医学部・泌尿器科, 教授 (60001004)
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Keywords | 水中衝撃波 / カルボプラチン / 実験腫瘍 / 癌の局所療法 |
Research Abstract |
兎膀胱癌に対してピエゾ素子を発生源とした高エネルギー水中衝撃波(SW)の効果を検討した。焦点部最大圧力100MPaで5shots/secを超音波guide下に照射した。 1.SW2000〜6000発を2〜3日間連続照射したところ膀胱腫瘍は著明な壊死を認めた。2.兎の血管壁基底膜を染色するGoatのpoliclonal antibody collagen type4による免疫染色を行った。対照の自然壊死部は腫瘍のover-growthのために血管の新生がおいつかなく壊死に陥る。壊死部には血管は見当たらず壊死組織近くの血管は障害されていない。一方SWによる壊死部には腫瘍血管が認められ血管は著明な障害を受けていた。血管は線維が膨化し、明らかな血管の破綻が確認された。3.SW6000〜8000発の8〜10日間連日照射では対照に比し腫瘍の増殖抑制を認めた。4.SW照射は肺転移を促進しなかった。5.SWとTHPの併用はSW単独よりさらに強い腫瘍壊死を認めた。6.SWと各種抗癌剤の併用では、SW単独群2羽、SWを先行させCBDCA+THPを静注した群で3回治療を行った1羽、CBDCA+THP静注のみを4週行った2羽、さらにSWとCBDCA+THPを5回以上同時に行った2羽でpTO(癌細胞の完全消失)が得られた。治療効果を組織学的に検討すると、SWが照射されている部分は著明な出血壊死に陥っており、壊死に陥らなかった部分には出血が見られずSWが照射されていなかった事が伺われた。そこで、腫瘍に均等にSWが照射されるように、兎を乗せた台を自動的に回転させる台を作製した。7.THP1mg/kg+CBDCA10mg/kgの毎週1回4週間投与でpTOが得られた事からSWと抗癌剤の相乗効果の有無を検討するために、抗癌剤の量を半量(THPO.5mg/kg+CBDCA5mg/kg)とし、SWとの併用療法を行った。SWの照射は回転台を用いて行ない、抗癌剤の投与はSWの照射直前に行った。抗癌剤単独ではまったく効果を示さなかったがSWとTHP+CBDCAの毎週1回,3週間の治療で6羽中3羽がpTOを得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 星宣次他: "家兎膀胱癌に対する衝撃波と抗癌剤の併用療法" 平成4年度衛撃波シンポジウム講演論文集. 167-170 (1993)
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[Publications] 鈴木謙一他: "マウス膀胱癌(MBT-2)皮下移植腫瘍に対する高エネルギー衝撃波の効果" 平成4年度衛撃波シンポジウム講演論文集. 171-174 (1993)
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[Publications] 桑原正明他: "衝撃波の生体に及ぼす影響:兎腎癌モデルによる検討" 平成4年度衝撃波シンポジウム講演論文集. 151-154 (1993)
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[Publications] 斉藤敏典他: "VX^2癌超微細構造への衝撃波の影響" 平成4年度衝撃波シンポジウム講演論文集. 635-638 (1993)
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[Publications] 星宣次他: "家兎膀胱癌に対する衝撃波と抗癌剤の併用療法" 平成5年度衝撃波シンポジウム講演論文集. 331-334 (1994)
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[Publications] 鈴木謙一他: "マウス膀胱癌皮下移植腫瘍に対する衛撃波と抗癌剤の相乗効果" 平成5年度衛撃波シンポジウム講演論文集. 335-338 (1994)