1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671303
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Research Institution | TOKYO MEDICAL AND DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森田 隆 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (10006819)
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Keywords | 尿失禁 / 尿道の受容体 / 膀胱エンドセリン受容体 / 性ホルモン |
Research Abstract |
生下時は生理的に尿失禁であり,成長に伴い正常な排尿形態に移行する.尿道の収縮はアドレナリンαの受容体の刺激によって生ずることは知られており,又最近膀胱尿道平滑筋にエンドセリン(ET)受容体が存在し,収縮に関与することが知られるようになった.尿道は性ホルモンが良く作用する部位として知られているので,ラット尿道のα受容体,ラット膀胱のET受容体性ホルモンの分泌(雄では生後3週で起こる)を考慮して,生下時より15週まで経時的に調べた. 標本として雄ウイスター系ラットの膀胱および尿道から細胞膜を調整した.生後1日,1週,2週,3週,7週,15週のラットを使用した.リガンドとしてα_1受容体:^3H-プラゾシン(^3H-PZ),α_2受容体:^3H-ヨヒンビン(^3H-YOH),ET受容体:^<125>I-エンドセリン-1(^<125>I-ET-1)を用いた.結合飽和実験を行ってBmax,KDを求めた. 尿道の^3H-PZのBmaxは生後1日〜2週では小さく,3週より大きくなり7〜15週で最も大きかった.尿道の^3H-YOHのBmaxは生後1日から15週までやや大きくなったが有意には変化しなかった.KDは生齢で変化しなかった.膀胱の^<125>I-ET-1のKDには年齢差はみられなかったものの,Bmaxは3週から7,15週と成熟するにつれ小さくなった. これらの事実から,雄ラットの尿道では,性ホルモンの分泌が始まる生後3週あたりからα_1受容体の増加が起こり,一方膀胱ではエンドセリン受容体の減少が起こることが判明した.従って膀胱尿道の受容体の発達には性ホルモンが密に関与し,正常な排尿形態に移行するために重要な役割を果していることが示唆された.
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Research Products
(1 results)