1994 Fiscal Year Annual Research Report
難治性尿路感染症としてのBiofilm Diseaseの病態解明と治療法の確立
Project/Area Number |
05671318
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤永 由佳子 岡山大学, 医学部・, 助手 (60252954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友近 健一 岡山大学, 薬学部, 助教授 (00093691)
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Keywords | バイオフィルム / 尿路感染症 / 共焦点レーザー走査顕微鏡 / 緑膿菌 / 菌体外多糖 / 化学療法 |
Research Abstract |
今年度は、まず改良ロビンス装置を用いてバイオフィルムの形成条件に検討を加えると友に形成されたバイオフィルムの構成成分に解析を加えた。その結果、バイオフィルムの形成には菌の付着時おける流速が重要な要因となることが明らかになった。 Psudomonas aeruginosaを通常の培地条件にて培養した浮遊菌とバイオフィル構成菌の構成蛋白をSDS-PAGE法にて解析を加えた結果、エンベロープ構成蛋白に違いが存在することが明らかになった。この蛋白は、外膜を構成するタンパク質である可能性が明らかになった。次にP.aeruginosaおよびStaphylococcus aureusバイオフィルムを人工尿条件において形成させ、形成されたバイオフィルムを2種の蛍光色素で菌体とマトリックスを染め分けて微細構造を共焦点レーザー走査顕微鏡にて観察した。その結果、両菌におけるマットリックス多糖体の染色性が著しく異なることが明らかになった。この成績は、両菌のマトリックス構成多糖体の成分の差を反映しているものと思われたが、明確にすることは出来なかった。バイオフィルム構成菌に作用する薬剤に検討を加えた結果、バイオフィルム構成菌に対してほとんど抗菌力を有さないがマトリックス産生に影響を与える薬剤と抗菌力を有する薬剤を併用することにより、バイオフィルム形成を阻害できることが明らかになった。このことは、バイオフィルム感染症の治療法に新しい方向を与えてくれるものと思われる。
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[Publications] Kumon,H.,et al: "A Sandwich Cup Method for the Penetration Assay of Antimicrobial Agent through Pceudomonas Exopolysaccharides." Microbiol.Immunol.38. 615-619 (1994)
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[Publications] 渡辺豊彦 他: "共焦点レーザー走査顕微鏡による細菌バイオフィルムの観察-P.aeruginosa biofilm と S.epidermidis biofilm の比較-" Bacterial Adherence 研究会. 8. 印刷中 (1994)
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[Publications] 渡辺豊彦 他: "共焦点レーザー走査顕微鏡による細菌バイオフィルムの観察" Bacterial Adherence 研究会. 7. 111-115 (1993)