1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671322
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内藤 誠二 九州大学, 医学部, 講師 (40164107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 周二 九州大学, 医学部, 医員
古賀 寛史 九州大学, 医学部, 医員
小藤 秀嗣 九州大学, 医学部, 医員
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Keywords | 尿路性器癌 / 化学療法 / 多剤耐性 / 抗癌剤 / 抗癌剤耐性 / P-糖蛋白 / メタロチオネイン / アドリアマイシン |
Research Abstract |
1.腎癌、尿路移行上皮癌、睾丸腫瘍の臨床手術材料を用いてMTTassayによる制癌剤感受性試験を行ってきたが、尿路上皮癌や睾丸腫瘍ではcisplatinやadriamycinに比較的高い感受性がみられたが、腎癌ではほとんど感受性がみられなかった。これは臨床における治療成績と極めて合致しており、本感受性試験の意義を示唆するものであるとともに、腎癌における制癌剤耐性の機序の解明と克服に関する研究の必要性を示すものと考える。現在この成績は論文発表の準備中である。 2.上記制癌剤感受性試験に用いたものと同一材料を使って、制癌剤耐性に関すると思われるP-糖蛋白およびメタロオネインの発現とadriamycinやcisplatinの感受性との関連について免疫組織化学的に検討した。その結果、腎癌ではP-糖蛋白の発現頻度が高く、adriamycin耐性とよく相関していた。一方、メタロオネインの発現はcisplatin耐性とよく相関していた。これらの因子の免疫組織学的検討による制癌剤耐性のスクリーニングとしての有用性についてはすでに論文発表を行った。 3.cisplatinやadriamycinに耐性の人膀胱癌株を樹立し、その耐性機序にはmdrl遺伝子によるP-糖蛋白の他、DNA topoisomeraseやMRPが関与していることを明かにした。現在論文作成中である。 4.人腎癌および睾丸腫瘍株にcisplatinおよびvinblastineを持続的に接触させることによりこれらの薬剤に耐性を示す株を樹立している。本年中にこれらの細胞株を用いてその耐性機構を明かにしていく予定である。 5.尿路性器癌の臨床手術材料を用いてmdrlやMRP等の耐性に関与すると思われる遺伝子の発現と感受性試験の関連について検討を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Naito,S.et al.: "Expression pf P-glycoprotein and multidrug resistance in renal cell carcinoma." Eur.Urol.24. 156-160 (1993)
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[Publications] Naito,S.et al.: "Correlation between the expression of P-glycoprotein and multidrug resistant phenotype in transitional cell carcinoma of the urinary tract." Eur.Urol.22. 158-162 (1992)
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[Publications] Kimiya,k.,Nito,S.et al: "Establishment and characterization of doxorubicin resistant human bladder cancer cell line,KK47/ADM." j.Urol.148. 441-445 (1992)
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[Publications] Kotoh,S.,Naito,S.et al: "Metallothionein expression is correlated with cisplatin resistance in transitional cell carcinoma of the urinary tract." J.Urol.(in press). (1994)