1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671328
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 嘉一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50235420)
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Keywords | 脳内アミン / 脳内アセチルコリン / 性行動 |
Research Abstract |
本年度の基礎的研究成果としては,雄ラットの性行動時における,脳内acetylcholineニューロンの働きをmicrodialysis法を用いて検討した。雄ラットの性行動時に性中枢の内側視索前野においてacetylcholineレベルの上昇を認めた。また大脳皮質帯状回においても性行動時のacetylcholineレベルの上昇を認めていた。また実際のマウントは行わないものの雌ラットに対し追尾を行うなどの雌指向性の行動を示したものは,大脳皮質帯状回において性行動時のacetylcholineレベルの上昇を認めていた。またacetylcholineレセプターのantagonistであるスコポラミンを投与すると雌指向性の行動の消失が生じマウント行動が消失した。これらのことから脳内acetylcholineニューロンは特に大脳皮質において雌ラットに対する認識や興味に関与している可能性が推測された。 また我々は,上記の基礎的実験の他に,質問紙法を用いた日本人男女の性生活調査を行った。これまでは男性を中心に性機能調査を進めてきたが,日本母性保護医協会の協力を得て,日本女性の性機能調査を行った。これらの研究により女性においても加齢による生理的性機能低下が生じていることを明らかにできた。また男女両性の基礎資料が揃ったことにより、相互の性機能維持にパートナーの性生活に対する協力性が極めて重要であることが明らかになった。 そしてこれらの高齢者(男性)に対し基礎的実験から示された脳内dopamineおよびacetylcholineニューロンの働きを賦活する脳機能改善薬である塩酸インデロキサジンの臨症的投与を開始し、現在まで少数例ではあるものの自覚的および他覚的性機能の改善を得ている。さらに基礎的臨症的検討を進める予定である。
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Research Products
(2 results)