1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671328
|
Research Institution | Sapporo Medical University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 嘉一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50235420)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 直樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60193504)
|
Keywords | 高齢ラット / testosterone / 性行動 / 脳内ドーパミン |
Research Abstract |
平成7年度に我々は、高齢ラットに対し長期のtestos terone補充を行い性行動の維持及び内側視索前野におけるdopamineニューロンの反応性の検討を行った。 前年度までの検討により24カ月齢ラットの性行動の消失には、低testos terone状態及び低testos terone状態の継続による脳内などの器質的変化の影響が推測された。そこでこのような器質的変化があまり生じていない可能性のある12カ月齢ラットに対し、長期のホルモン補充を行い、性行動が低下を予防し得るか否かを検討した。12カ月齢ラットに対し、silastic tubeを埋め込み、血中testos terone値を若年ラット群の1.5倍のレベルに保つと、徐々にマウント行動は回復し6週目には性行動は若年ラット(12週齢)と同等となった。以後も同様の性行動が維持され、12カ月齢の時点からホルモン補充を行うと24カ月齢まで雄ラットの性行動は若年レベルに維持され、かつその維持に必要な血中testos teroneレベルは24カ月齢の時点からホルモン補充を開始して性行動の発現を生じさせるのに必要なレベルよりも低いものであった。 さらに脳内ニューロンの回復の程度を推測するためにN-methyl-D-aspartic acid(NMDA)で内側視索前野を還流し、その反応性を12カ月齢から12カ月間ホルモン補充を行った24カ月齢ラット(長期HRTラット)及び無処置24カ月齢ラット及び12週齢ラットで比較した。長期HRTラットでは、NMDAによるDAの反応が12週齢と同程度であった。それに対し、無処置の24カ月齢ラットにおいては、有意に12週齢ラットに対しDA上昇率の低下が認めらていた。これらの結果からtestos terone補充により内側視索前野におけるDAニューロン機能の回復が推測された。ホルモン補充は中枢機能の賦活を導いているものと考えられた。
|
Research Products
(1 results)