1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671338
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
石川 博通 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (60112679)
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Keywords | 男性不妊 / 凍結保存精液 / 人工精液瘤 / 射精障害 / 逆行性射精 / 性交障害 |
Research Abstract |
男性不妊のうち人工精液瘤造設例、射精障害例、性交障害例、逆行性射精例および制癌剤投与予定者などでは人工受精に際して採精が困難である場合が多く、しかも採取機会も少ない。不妊治療においては排卵は1周期に1度であるのに対して精液は随時採取できるが、その保存が困難であるため排卵時以外に得られた精液は無効であった。そこで精液の凍結保存を試みることとした。今までの凍結保存法には種々の欠点があったためその改良に努めた。まず凍結中の精子を保護する目的で精子を十分洗浄濃縮した後に新しく開発したKS-II精子保存液を使用した。次に日常診療に頻用するために凍結手順の簡易化と低コスト化をはかった。すなわち発泡スチロール容器に液体チッソを注ぎ凍結用チューブを液面上3cmに静置し、5分間で凍結が完了するのをまって液体チッソタンク中に移し精子を凍結備蓄した。さらに精子の代謝賦活の意味でペントキシフィリンを添加した。 この方法によって人工精液瘤造設例、射精障害例、逆行性射精例のそれぞれで人工受精により妊娠が成立した。 今後はこのような特殊症例だけでなく一般の男性不妊例とくに乏精子・精子無力症例にこの方法を応用するつもりである。また種々の薬剤添加を試みるとともに先体反応をおこす能力のある精子など質の高い精子を選択的に採取する方法を開発して凍結保存法と合わせて不妊治療に応用したいと考える。
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